月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

墨と金@根津美術館

根津美術館での展覧会「墨と金」に行ってきました。
f:id:Lunacat:20180113134535j:plain

この展覧会、タイトルだけは判りにくいですが所蔵する狩野派の作品を一堂に集めた展覧会です。
個人的には狩野派は得意ではないのですが、思った以上に良い感じだったので、纏めておこうと思います。


まず最初の展示室では、作品はおおむね年代順に並んでいました。

拙宗「潑墨山水図」
いきなりですが、さらっと雪舟とか出てきます。何時もながら、根津美術館の倉庫は奥が深いです。
それはともかく、この作品は筆に勢いがあって確かに雪舟っぽい感じがします。
芸阿弥「観瀑図」
重要文化財にもなっている滝を描いた山水ですが……、滝の水が跳ねてアーチ形とか、ちょっと待て。
結局日本人は室町時代の昔から気が付くとデザインにしてしまう種族と言うことなのでしょうか……。

観瀑図|根津美術館

伝 狩野元信「養蚕機織図屏風」
四季耕作図屏風というのが良くありますが、これはそれの蚕、織物バージョンといったもの。中央の湖水の向こうのもやった感じが奥行き感あって良い。人と建物の丁寧。岩は大胆。
狩野尚信「山水花鳥図屏風」
江戸時代の作品になりまして、幕府の御用絵師としての狩野派になります。この作品は勢いのある描き方ではあるのですが、全体としてぼやっとしすぎて。鳥もぼやけているような印象かなと。
狩野探幽「両帝図屏風」
探幽さん登場。ですが、探幽だって余白だらけの水墨ばかりじゃないぞとばかりに、かっちりした帝鑑図を持ってきました。
以前サントリーで見た狩野派の三体(真体、行体、草体)ってこういうことなのかと、ちょっと腑に落ちた気がしました。
狩野宗信「桜下麝香猫図屏風」
ジャコウネコさん、尾っぽかわゆい(いや、いい絵なんだけど、ジャコウネコさんの可愛さしか頭に残ってないわ)


続けて隣の展示室へ。こっちは「ザ・狩野派」という感じでは無い作品も登場します。

久隅守景「舞楽図屏風」
久隅さん、来たー。舞楽を舞っている武人の兜が結構厚塗りで盛り上がってる辺り、この時代の絵としては珍し気がします。
狩野山雪「梟鶏図」
山雪さんの描く「いちごフクロウ」さん。いや、いちごフクロウというのは私の勝手な命名ですが、三角形のフクロウさんの頭が苺みたいでかわいいのですよ。この絵は以前京博であった山楽・山雪展の時からお気に入りです。
と、ついついフクロウにばかり目が行くのですが、ニワトリのほうも、羽の濃淡とか面白いと思います。

lunacat.yugiri.org

狩野山雪「秋景山水図」
これも山雪さん。縦長の紙に合わせるように、山や木を縦に引き延ばしたような感じに見える不思議な絵。それでいて夜の静けさも感じられます。やっぱ山雪さん、上手いわ。
源氏物語図屏風
一番最後に展示されていたのが、狩野派もすなる源氏物語絵です。やまと絵よりも人が江戸時代風なのが特徴的。
描かれていたのは若紫、蓬生、若菜上(猫)、若菜下、真木柱、夕顔、総角の各帖。このうち夕顔帖では、本当に夕顔が沢山咲いているのが珍しいかなと。


こんな感じで、根津美術館の所蔵品のみという縛りがありながら、狩野派の歴史を概観することのできる展覧会でした。というか、所蔵品だけで狩野派を俯瞰できるとか、なみの美術館で出来ることではないですね。
また、俯瞰してみたことで、今までよく判ってなかった狩野派を少し理解できた気もしました。



最後に、2階のテーマ展示のコーナーからも2点紹介しておきます。

伝 狩野山楽「百椿図」
百椿図は毎年この時期の恒例になってます。椿が描かれているのは当然ですが、中にはネズミや鳥も描かれてるのが面白い。

百椿図|根津美術館

長沢芦雪「竹狗児図」
お茶のコーナーの最初に、この絵があったのですが。芦雪の犬はかわいすぎて卑怯です……(またか)

描かれたきもの美人@美術館「えき」KYOTO

京都駅の中にある"美術館「えき」KYOTO"で、京都市美術館所蔵の近代日本画展をやっていたので、見てきました。
f:id:Lunacat:20180108140101j:plain

京都市美術館では現在、リニューアル工事を行っているため閉館中です。そのため今までなら年に1度は有った収蔵品展も無くなってましたが、近場の美術館で収蔵品を公開する機会出来たのは素直に良かったと思います。
いやだって、京都市美術館は大型展覧会への場所貸しばかりやってるように見えますが、収蔵品の質は関西随一ですからね。

今回の展覧会のテーマは、和服女性の描かれた近代日本画というもの。どう考えても私の好物(?)ですので、年末に京都に行ってから2週間しか経ってないのに、名古屋に行くついでに寄るという無茶をしたわけです。


とりあえず、早速展示品を振り返ってみましょうか。

菊池契月「散策」
展覧会の会場に入って最初に目にする作品がこれですよ、これ。契月さんの「少女」「散策」「友禅の少女」の3作品(いずれも京都市美術館が所蔵)は、きりっとした女の子が素敵な作品です。自分としては「少女」が一番好きなのですが、戌年なので犬が登場する「散策」が選ばれたようです。
それはともかく、今回は手狭な会場での展示なのもあってか、作品がとても近いです。近くから見ると、猶更おかっぱの髪が良いですなぁ。
菊池隆志「爽夏」
菊池契月さんの二男の作品。そう言われると契月さんに雰囲気が似ている気がします。手にヒルガオの蔓を持ってる感じや、着物の貝の柄とか、良い雰囲気。
西山翠障「樫花」
赤玉ポートワイン(違います、というか、そもそも脱いでないだろ)
顔や着物が周辺の花よりよりも淡いのもあって、幻想的な絵に見えます。
丹羽阿樹子「ゴルフ」
丹羽阿樹子さんの作品でよく展覧会に登場するのは「遠矢」というワンピースのお嬢さんが弓を弾いている絵ですが、今回は和服縛りがありますので……。
そんなわけで和服でパターゴルフをするお嬢さんが描かれているのですが、真剣そうな様子が可愛いのではないでしょうか。
菊池契月「友禅の少女」
契月さん、その2。この少女のこちらを正面から見つめる視線も良いと思うのですよ。というか、契月さんの描く少女は視線が鋭いのが特徴かも。
梶原緋佐子「静閑」
契月さんの弟子にあたる人。絵を描いているところを描いてますので、自画像的なものと言っていいのかしら。凛としたたたずまいが魅力的。
北野恒富「いとさんこいさん」
昨年に千葉市美術館で開かれた北野恒富展にも展示されていた作品です。お姉さんと妹さん、縁台でゴロンゴロンしているほうが妹さんなんでしょうな。妹が闊達になるのは古今東西共通のようです。
由里本景子「望遠鏡」
望遠鏡で星を見る三姉妹という素晴らしい構図。着物を着ていますが着物の色も鮮やかですし、髪形などは現代風のモダンガールになってまして、新しい時代を感じる女性になってますのが、なんともかわいい。
ちなみに望遠鏡を見る少女という題材の絵はとうきょ国立近代美術館にも太田聴雨の「星を見る女性」というのがありますが、昭和初期の流行だったんでしょうかね?
玉城末一「藤椅子によれる少女」
今までの絵と比べると、三つ編みの髪形や羽織ってる着物が、なんとなく町の娘さんという感じに見えます。紙からつま先などがはみ出していたり、ちょっと紙に対して斜めに描かれていたり、アンバランスな感じもめずらしい、というか西洋絵画的に見えます(でも和服)。


作品点数はあまり多くありませんでしたが、好物は少量でも充分楽しめますね。良い展覧会でした。
今回は和服縛りでしたが、ぜひ洋装縛りで同じような展覧会を、やってもらえると良いのですが。

アートのなぞなぞー高橋コレクション展@静岡県立美術館

静岡県立美術館で行われている、高橋コレクション展を見てきました。
f:id:Lunacat:20180107151050j:plain


高橋コレクションは現代美術を中心とした個人コレクションですが、以前に東京オペラシティギャラリーで見たときにかなりツボだったので、機会があればもう一度見たいものだと思ってました。今回は割合に東京から近いところでの開催でしたので、早速行ってきたというわけです。

(以前に高橋コレクションを見た時の感想はこちら)
lunacat.yugiri.org


ただ、今回の会場は静岡県立美術館ですので、単純に個人コレクションを並べて終わり、なんて単純なことはしません。こういう工夫みたいな点は、いつも静岡県立美術館はうまいですから、おのずから期待が高まります。


では、展示を見ていきましょう。展覧会は、「いないいないばあ」「おとなこども」「なぞらえ」の3つのパートに分かれています。


まずは「いないいないばあ」というタイトルのセクション。ここでは移り変わる流れの一瞬を切り取ったような作品を集めています。

入口を入っってすぐのところにあったのは松林桂月「夜桜(春宵花影)」。月光に照らされる夜桜を描いているのですが、桜の葉が風に揺らめくさまも見えるようです。
ちなみにこの作品は高橋コレクションではなく静岡県立美術館の所蔵するもの。美術館の所蔵作品と個人コレクションを同じテーマで並べることで、現代美術も日本美術の大きな流れの中に置くことが出来るということを示そうとしているようです。

青山悟さんの「夕暮れの新宿」は、夕暮れの空のグラデーションを刺繍で表現していました。夕暮れの空は場所によって色が変わるし、時間によっても変化するので、それらを止めて表現するのって、千差万別になりますね。

で、その青山悟さんと同じ主題を描いたのが、静岡県美が所蔵する浅井忠「雲」。同じテーマを新旧並べて展示する手法、なかなかやりますな。

畠山直哉さんの「Slow Glass」シリーズから3作品。これらは雨の日に自動車の中から街の様子を撮影したものですが、ガラスについた水滴にフォーカスを当てて街をぼやかしていて幻想的に。更には雨粒による光の拡散というコントロールできない要素も絡むので、似たような写真でも雰囲気が変わるのが面白いかと。

宮永愛子さんの作品も3つありました。毎度おなじみの箱詰めナフタリンの世界ですが、宮永さんの作品は1回くらいは箱を開けてナフタリンを全部蒸発させてみたいです(をぃ)。そういう意味で、消滅に向かって進むしかないナフタリンの動きを止めている、時を止めた作品の一つなんですね。

蜷川実花さんの写真も大写しで4点。一瞬の光が原色をまとって見えてくる、そういうことなんでしょう。

青木美歌さんの作品が4点ほどありました。フラスコなどの理科用品からキノコが生えていたりして、ちょっとおもしろい感じ。


つづいて「おとなこども」の章になります。体は子供だけど心は大人だったり、そんなアンバランスな少女を描いた作品が続きます。
ある意味、現代アートのメインルートですよ、この章は。

ということで、アンバランスな少女方面での巨匠が2人続きます。まずは奈良美智さん。雲に乗った少女という風情。とはいえ、この人の描く少女は少女なだけじゃないから気をつけろって反射的に思うわけで。

会田誠さんの「大山椒魚」は、巨大なオオサンショウウオと美少女というアンバランスをどう解釈するのか、という作品だと思いますが、先日京都水族館でオオサンショウウオを見たせいか、こういうのもありじゃないかと思ってしまって……(をぃ)
そういえば波の模様は青海波になっていて、伝統を踏まえた絵でもあります。

樫木知子さんの「風鈴」は、風鈴と同化してしまった少女が涼しげで可愛くてねぇ。どんな前世の因縁で風鈴になったのか?などと考えるのは野暮かもしれません。

obさんの作品が3作品。やはりobさんはこちらを見る大きな目が、悲しんでいるのか憐れんでいるのか、不安をあおります。

橋爪彩の「Flora」。この人の作品は、スーパーリアリズムとも言える精緻な描き方でありながら、必ず顔を隠すことで不安を感じる、そのあたりが魅力的です。


最後の章は「なぞらえ」。ようするに本歌取りというか、過去の日本美術を踏まえた作品が登場します。

例えば奈良美智さんの描いた浮世絵風な絵なんてものものが出てきたりしまして。富士山も描かれて、なるほど北斎だわと。

チームラボの「世界は統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う」は、伊藤若冲の鳥獣花木図屏風を動くようにした作品。2016年の若冲展にも同じようなものが出ていましたが、それの改良版らしいです。この作品の隣には伊藤若冲の鳥獣花木図屏風(複製)も展示されているので、比較してみてみるのも楽しいです。

(写真は若冲展で展示されていたもの)


会田誠の「紐育空爆之図(戦争画RETURNS)」。これ、零戦でニューヨークを爆撃するという物騒な絵ですが、零戦の描き方はまさに鶴下絵三十六歌仙和歌巻なんですよね……。

そして、過去の日本美術を踏まえた作品と言ったら忘れちゃいけない、山口晃さん。「當卋おばか合戦」は普通の合戦絵に見えながらロボット兵がいたりなんかかっこいい機械が出てきたり、機械萌えもキャッチしているところが良いですわ。


最後に展示場を出て、美術館の入口にあったのが、鴻池朋子さんの「皮緞帳」。
f:id:Lunacat:20180107150743j:plainf:id:Lunacat:20180107150716j:plain
いや、ひたすら大きさに圧倒されるでしょ、これ。


と行った感じで。過去にも書いたことがありますが、高橋コレクションは現代美術のコレクションですが抽象度の低い作品が多いせいか判りやすく感じてみていて楽しいのが良いですね。
個人コレクションなので贅沢は言いにくいのですが、こうやって2~3年に1度見る機会があると助かりますわ。

博物館に初もうで@東京国立博物館

毎年正月の恒例、東京国立博物館の「博物館に初もうで」に今年も行ってきました。


この「博物館に初もうで」も今年で15回目になりまして、15回目ともなると固定客だけでそれなりの人数になるわけで。
なので1月2日に見に行ったときは混雑で余り見ずに撤退してしまったのですが、それから1周間が経つと混雑のかけらもない空き具合になりますね。


では「博物館に初もうで」を順に見ていきましょうか。まずは今年の活け花から。


活け花は頑張って2日に撮影したので、青空が眩しいですね。


続けて、干支の犬に関する特集展示です。
ですが……

犬は卑怯…

犬は卑怯……

犬は卑怯………

犬は卑怯…………

犬は卑怯……………

犬は卑怯………………

そして最後は、卑怯な犬の絵の第一人者、円山応挙の杉戸絵ですよ。どんだけ犬は卑怯なんだ……。



とまぁ、普段は猫しか愛でないのに、犬にさんざん萌え上がっていたのでした。
あれやね、犬は本物ではなく絵のほうが可愛くて良いやね(と、実物の犬に吠えられてばかりの月猫さんは思うのであった)。


犬以外の作品も見ていきましょうか。
白描の仏様。ひたすらかっこいい。

鳥獣戯画の断簡。本当なら甲巻の一部だったのに、修理の際に抜けたのか、鈍翁みたいな人が抜いたのか。

貝合せの貝桶と買。よくまぁ貝の内側なんていう湾曲して描きにくそうなところに細かな絵を描くものです。

亜欧堂田善の描く浅間山。江戸時代の洋風画は、この泥っぽい色合いも込みで見ていて楽しい。

若冲さんの鶴丸を、鶴のところだけアップで。顔の小ささとか、かわいいよね。

江戸時代に描かれた源氏物語のやまと絵。右が初音で左が胡蝶。

浮世絵も正月らしく、七福神に富士山&凧揚げ。


考古では、遮光土偶の存在感はいつもながら圧巻です。

イラクからやってきて、日本で埋まっていたガラスというだけで、ロマンですよね。


こんな感じで、今年も良い初もうででした。
それにしても、描かれた犬って可愛いな……。

新春の京博で常設展示を見る

京都国立博物館の常設展示で「いぬづくし」という干支にちなんだ展示をしているというので、行ってみました。
f:id:Lunacat:20180108121551j:plain


中に入ると「いぬづくし」自体は2フロアだけで、犬づくしというほど犬だらけではなくて。
とはいえ、他のフロアにも良い作品がありましたので、フロアごとに感想を書いてみましょうか。


まず3階は、焼物と考古のフロアになります。いつもは見飛ばすことも多いのですが、ちゃんと見ると面白いものがありますね。

灰陶武人俑
中国の武人をかたどった焼物なんですが、この武人というかおじさん、親指立ててにこやかな表情で……。どう見ても府中や中山で馬券が当たった時の表情としか(をぃ)
古清水 色絵松竹梅文高杯
松の盆栽を描いたもの。色が薄くて若々しいのが珍しく思えます。
深鉢形土器
そういう名前ではありませんが、これは火焔土器って言っても良さそうな造形。下の方は細身なのに対して、上の方はしっかりしていて、なるほど土の中に半分埋めて使ったのかなぁ、などと。


つづけて2階は、最初の2区画が「いぬづくし」のコーナーです。

犬追物図屏風
「猫追物」という競技がなくてよかったな〜というのが第一印象(笑)。競技よりも周りの観客が公家や高僧から庶民まで実に沢山なのに目がいきます。
ところで上の方に川がありますが、ということはここは鴨川の河原でしょうか?
長沢芦雪「狗子図」
子犬の背中に手をかける子犬とか……。芦雪の犬は卑怯だ(笑)
国井応文・望月玉泉「花卉鳥獣図巻」
「いぬづくし」ですから犬もいるわけですが、長毛の犬は今ひとつ可愛いとは思えなくて。それよりも犬の両隣にいる鳥とうさぎが良いじゃないですか。

中世絵画は「東福寺の画僧・明兆とその周辺」というタイトル。要するに禅画大特集になります。

明兆「白衣観音図」
作者とタイトルが同じ作品が何点も有りましたが、そのうち一番左にあった重要文化財のものです。肩肘ついたうつろな恰好が、物憂げで素敵ですわ。

近世絵画では「仙人」をテーマに展示してました。

鈴木松年「群仙図屏風」
これは相当に濃い絵です。仙人で濃い絵と言えば曽我蕭白を思い出しますが、この絵は蕭白さんより線が太くて余白が無い感じで、その分ごちゃごちゃした印象です。

続いて中国絵画も「仙人」がテーマでして。

群仙図(仁和寺蔵)
山里にいらっしゃる仙人の皆さんが楽しそうで、これは仙人というよりも、御隠居さんの集いですなぁ。


やっと1階に下りてきました。実は京博はここが中間点です。
まずは仏像を眺めましょう。今まで中央にいた巨大な大日如来さまがいなくなって、ちょっと空間の圧力的なものが変わった気がします。

如意輪観音半跏像(廬山寺蔵)
この観音様は実にやさしい顔をしていまして、恋に恋して照れている女の子の姿、と言っても通るのではないかと。
いや、足は太いのですが……

1階の奥の方の3つの部屋では特集展示「御所文化を受け継ぐ─近世・近代の有職研究─」をやってました。

二条城行幸図巻
御所から二条城に後水尾天皇が行幸した際の記録で、歩いている人の役割や人数などが丁寧に描かれています。こういうので、めったにないイベントを後世に伝えていくんですね。
諸殿調度図
こちらは、部屋のどの位置に何を置くのかを記録している資料。壁や天井を取っ払って説明したり、置いたものの詳細図を付けたり、懇切丁寧ですわ。
銭形屏風
この屏風、梅に桜に紅葉に雪に、と、四季ですね~。
五衣唐衣裳装束
十二単、来ました~。若草色で春っぽい。最近作られたものなので、裳に白から青へのグラデーションがあって、空から水へのグラデーションのようでした。

さて、これで残り2部屋となりました。まず金工の部屋では「梵音具」がテーマ。

銅鰐口(西教寺蔵)
部屋の中央に大きな銅鑼が。この大きさなら、音は良いでしょうな。

最後に漆器に行きましょう。今回のテーマは琉球の漆器です。

黒漆楼閣人物螺鈿食籠
かなり大きなものなのですが螺鈿がびっしりと。かなり手間をかけてますね。


今回は各部屋で1つは気に入った作品を見つけようとしたので時間をかけて見ましたが(おかげで後の予定がかなりタイトになった)、じっくり見るとちゃんと気に入った作品が出てくるものですね。また機会があったら、同じように部屋ごとにじっくり見ていきたいと思います。

ま、とはいえ、今回の展示を総括すると芦雪の犬は卑怯ってことになるわけですが……。