月猫ツーリスト

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

浮世絵を再評価する展覧会2題

正直なことをいうと,浮世絵には余り興味が無くて,特に人物画の浮世絵は全く興味が湧きません.東洲斎写楽の絵を見ても顔が長いと思うだけで,全く良さが判っていません.だいたいにおいて,あんなかすれたような色のものがなんで登場したのか,桃山時代の明るさはどこへ行ったのか…….

何て思っていたのですが,色がかすれたのは経年変化であって当初は綺麗な色だったというのが判ったのは大量の版木が見つかったのを見たおかげです.
ということで,退職が進んでない浮世絵を見ることが出来る展覧会を最近2つ見ることが出来ましたので,その話を.



まずは,江戸東京博物館で開かれている,「よみがえる浮世絵−うるわしき大正新版画展」.浮世絵というと江戸時代ですが,此処で展示されているのは明治以降のもの.時代が近い分,退色からは無縁です.というか,明治以降に浮世絵に挑戦した人がいたんですね.

それにしても退色していない浮世絵というのは綺麗です.特に青色が美しいのが素晴らしいです.以下,手元のメモから感想を書いてみます.

1-23「堀きり花菖蒲」
右側に大きな花を配置していて,なんか構図が江戸っぽいです.作成は明治から大正に変わる頃のようですが,この頃はまだ江戸は遠くなっていないということかもしれません.
1-31「枯野の富士」
フリッツ・カペラリさんというオーストラリア出身の方の浮世絵.タッチがやはり日本的,というよりも西洋的な感じです.
2-20「ベナレス水辺」
ベナレスなのでインドですが,何となく霞ヶ浦に見えます(@@;;)\(--;;)バキ.
2-58「牧場の午後」
油絵のような色彩で,版画には見えません.奥が深いものを感じます.
4-29「動物園 きばたん あうむ」
鸚鵡が緻密で,本当に彫って作ったのか?
4-67「羽を拡げる白鷺」
これまた,彫ってない,描いたとしか思えない緻密さです.

やはり江戸時代から続いた伝統の行き着く先,緻密さや表現力が江戸時代よりも向上しているように感じられます.そうは言っても彫刻なので,その方向で頑張っているだけでは絵や写真に対抗できなくなってくるわけですが…….



次に,三井記念美術館で現在開催されている,「夢と追憶の江戸〜高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展〜」.こちらは江戸時代の浮世絵がてんこ盛りで,余り広くはない三井記念美術館でだいたい3週間ごとに総入れ替えをして展示をするという,見る方からすると若干費用のかかる展覧会(@@;;)\(--;;)バキ.こちらは,キット保存状態の良いものを集めたのでしょう,やはり青色が鮮烈です.取りあえず,今日見たのは前期/中期/後期とあるうちの前期に当たります.

188葛飾北斎「富嶽三十六景 深川万年橋下」
橋の形と水面が定規で当てたような円と線なのが,なんとも北斎らしい感じがします.
168歌川国芳源頼光公舘土蜘作妖怪図」
有名な,妖怪を使って政府批判をやったとされる絵です.これの実物を見るとは思ってませんでした.
263歌川広重「木曽路之山川」
え〜っと,いくら木曽路とはいえ,山の急峻さを強調しすぎでは…….ま,そこがコミカルでよいのですが.


取りあえずどちらの展覧会も出展数が多いのが特徴で,前者は250点,後者は300点が出展されます.なので,両方の展覧会の図録を買えば,浮世絵について一通りの知識を得ることが出来るような気がします.

何ですが,どっちの時も他の荷物があって買ってないのが…….やはり,もう一度見に行かないといけないようです…….