月猫ツーリスト

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

ローマといえば青柳先生

国立西洋美術館というところは不思議なところで,2001年の独立行政法人以降以来,代々館長が歴史学者の方が就任しています.代々と言っても2人ですが,最初が樺山紘一先生で専門はフランスを中心とした地中海の,中世というかルネサンス期.んで次というか今の館長が青柳正規先生で専門は古代ローマ.というわけで,今回,国立西洋美術館で古代ローマ展をやると聞いた瞬間,青柳先生が呼んできたなと思ったわけで……,呼んできたかどうかはともかく,特別展の監修を青柳館長自ら行っているそうで,随所に青柳先生を感じる場面もあるような無いような……


さて展覧会ですが,最初は彫像の間.ユリウス=クラウディウス朝の皇帝がずらずらと.ローマ人の物語でいうと「パクス・ロマーナ」と「悪名高き皇帝たち」のあたりの方々です.って書いても,読んでいる人には言わずもがな,読んでない人には全く参考になりませんね(@@;;)\(--;;)バキ.とりあえず,アウグストゥスの座像が座っているのに215cmもあるそうで,その大きさが圧倒的です.ただ,アウグストゥスというとヴァチカンにある鎧を着て片手を挙げた若き指導者の像(プリマポルタのアウグストゥス)のイメージが定着しているので,なんかちょっと違うなぁ,などと不遜なことを思ったりして(^^;;).

それから,アポロ神の像がありまして,アポロにしてはなんかかわいい顔しているなぁと……,と,すっかり彫像のコーナーは顔を見て楽しむコーナーにしておりました.


彫像の次は壁画のコーナーで,ここの注目は「コブラとアオサギ」「犬のシュンクレトゥス」という2枚のフレスコ画.どちらもポンペイに埋まっていたものと言うことですが,描かれている鳥や犬がとても写実的.そのまま近代絵画だと言っても信じてしまいそうなできばえです.これを漆喰が乾くまでの短時間に描くのだから,2000年前の絵師の実力はすごいです.

壁画の跡には,ローマの富を示すものと言うことで金貨や銀貨,それから鉱山での道具などが展示されていましたが,金貨は元が小さいのに固めて展示されているために見にくいったらありゃしない.ここはちょっといけません.


そして,今回の展示の目玉ともいえるのが,地下(いや,西洋美術館の特別展会場自体が地下なので,正確には地下2階)のコーナーにあるフレスコ画とモザイク.わざわざ地下に持ってきているのはそれだけ巨大だからですが,要するにポンペイに埋まっていた壁をそのまま持ってきたと思いねぇ.4.5m以上あるということで圧倒されます.圧倒されるのは大きさだけでなく,その美しさもで,フレスコ画の方は先ほども書いたとおり写実的な鳥や草木で楽園が表現されています.こんな装飾を家の中にしていたとは贅沢な話.いや,私自信は余り装飾のある家は好みではないですがね(^^;;).

それからモザイクの方は,これまた高さ2.4mの噴水のドームがそのまま置いてあるというもので,これまた大きい上に綺麗です.怪のモザイクが輝いています.


と,ローマ好きには大変に堪能できたのですが,ちょっと残念なのが,国立西洋美術館の企画展示室の広さに対して展示品が少なく見えること.いや,展示総数119点なので決して少なくはないのですが,妙に空間が目立っています.今回展示されているものが,巨大なもの(彫像と壁画)が多いので空間を取る必要があったという理由だと思いますが,金貨とか道具など小さいものの展示スペースを増やしてあげても良かったのかなと思います.


ところで,今回の展覧会では,図録の他にDVDも発売されています.DVDは展覧会場でやっていたビデオ(VR画像)を収録したものですが,映像特典で青柳先生の解説が入ってます.ということで青柳先生目当てで買ってしまった私.図録とセットで買えば少しだけ安くなります.ちなみにこのDVD,ケースと円盤には35分と記載されていますが,実際には43分の映像が収録されています…….良く判らないことが多いです(^^;;).