月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

京都大阪美術館巡り

18日の駄文でも書きましたが、今日は京都・大阪方面の美術館を巡ることにしました。
そもそも18日には行くことが決まっていたので、新幹線の予約をしておけばよいもんですが、それをしないのは毎度のこと。行こうと決めてから90分以上後の新幹線を予約すれば、着替えも含めてなんとかなる、というのは江戸川区の小岩に住んでいる便利さです。

そんなわけで、今日は9時20分に東京を発車する、のぞみに乗ることができました。基本的に動力源が電気な人間なので、N700系の窓際を確保しての乗車となります。

京都駅に到着したのは11時40分。そこから地下鉄を乗り継いで東山駅東山駅からは最初の目的地の細見美術館に向かう、のですが、通り道に京都国立近代美術館があったので、そのまま吸い込まれました。

京都国立近代美術館「ローマ追想」

19世紀に撮影したローマの写真が展示してあるだけ、といえばそれだけの展覧会です。ただ、撮影したのは150年前、撮影されているものは2000年前、そして見ているのは今、と、「ここ、時間の流れが少しおかしいんです」と言いたくなる状態。そこに写っているものは過去でありながら、写っているもの過ごした時間から見れば現在とも言える最近であり。刻は止まっているのか、進んでいるのか、戻っているのか。何とも不思議な感覚です。

それにしてもねぇ、流石ローマですよ。あんなローマ時代の遺跡がごろごろしているのかと思うと、実際に行って見てみたいもんです。


京近美を出て、元々の目的地の細見美術館はすぐそこです。

細見美術館「待合掛」

お茶の席の控えの間に掛ける掛け軸を集めた展覧会ということですが、そこは細見美術館琳派の掛け軸を集めた展覧会となっておりました。抱一とか其一とか、一寸見上げると本阿弥光悦とか、本当に良くあるもんです。
面白かったのは鈴木其一の「歳首の図」。表装に見せかけて、梅を書いております。間違いなく、中央の絵よりも、表装に見せかけた梅の方がこった描き方をしています。そういえば、去年、渋谷のbunkamuraでやっていた「だまし絵」展でも、鈴木其一が多数展示されていましたね。


また豊公吉野花見図屏風が、テーマから外れますが展示されていました。圧倒的な桜、桜、桜。その桜の中をオープンな輿で移動する豊太閤。確かに地上の浄土を秀吉は作ったんですねぇ。


細見美術館からは東山駅に戻り、地下鉄と阪急を乗り継いで大山崎駅へ。天王山へ向かう急な坂道を登って、アサヒビール大山崎山荘美術館に向かいます。

大山崎山荘美術館「美しきカントリーライフ」

パンフレットの表を飾るコローの絵に惹かれていったのですが、アーツ・アンド・クラフツなどの工芸分野の展示が中心でした。正直、日本以外の工芸は皆目何も判ってないので、今回も良く判らず。早々に撤退となります。一番勉強になったのは、天王山は確かに天王山と言うべき急な坂道の所だということでしょうか……


大山崎山荘を後にして、JRで大阪へ。大阪から地下街を歩いて北新地駅に出て2駅乗ったら大阪城北詰駅。その駅前にあるのが次の目的地、藤田美術館です。

藤田美術館「歴史を彩る教科書に載る名品」

大仰なタイトルですが、それが誇張でないというのが凄かった。何たって40点程の展示物の中に国宝が4点、重要文化財が9点。やり過ぎです。

鎌倉時代に書かれた「玄奘三蔵絵」は、鎌倉時代の作品とは思えない鮮やかな色彩でした。色だけじゃなく、紙も焼けたりせずにしっかりしていて、今までどんなに丁寧な保存をされていたのだろうと思うものでした。
長沢芦雪の幽霊の絵。これも以前に「だまし絵」展で見たことのあるものですが、幽霊の可愛さに惚れてしまいそうです。
そして、「紫式部日記絵詞」。五島美術館東京国立博物館で見たものの片割れですが、保存状態や色彩は、藤田美術館のものが一番良いようです。描かれているのは五島美術館と同様、彰子の出産シーンでした。

その他にも、高野切があったり英一蝶がいたり、円山応挙の作品もあったりと。40点程度にしては見るのに時間がかかりました。結局、3往復くらいはしたような気が。


そんなわけで藤田美術館を出たときには15時50分になっていました。もう1箇所行くには時間が足りないのですが、無理を承知で京橋駅から京阪に乗って中之島駅に向かいました。どうしても見たい作品があったのです。

国立国際美術館ルノワール

ということで、最後はルノワール。東京でも見ているルノワール、40分しか時間がないルノワールです。最近「大阪 ルノワール」がこの駄文ブログの検索語でトップに来ていたので見ておきたかったのと、それから、東京には来ていなかった「かわいいイレーヌ」を見ておきたかったと。

詳細の感想は長くなるので別途書きたいと思いますが、「かわいいイレーヌ」は混んでました。閉館5分前の時点で3重の人垣が出来てましたから。まぁ、それだけの可愛さがあります、あの作品には。かわいいので、A4サイズの複製画を買ってきたことは秘密です。


と、この時点で17時、閉館です。ついでにいうとiPhoneのバッテリーも残り4%の閉店間近。充電するために早々に新幹線に乗って東京に戻ってしまいました。いつもながら、全く落ち着きのない旅だよねぇ。