月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

港区私立美術館巡り

今日は最初、金沢文庫の運慶展を見に行くつもりだったのですが、気づいたら11時を過ぎてまして、ちょっと横浜方面の美術館を複数行くには遅い時間。ということで、港区(一部渋谷区)の私立美術館(大倉集古館、泉屋博古館分館、畠山記念館、山種美術館)を巡ってきました。簡単に、各美術館の感想を書いておきます。

大倉集古館「煌めきの近代」

大倉集古館に行って見ると、その前にあるホテルオークラに、カメラマンの列がありました。あれは何だったんでしょう、どなたら不倫の芸能人でも宿泊していたのかしら?(何故、そういう想像になる?)

ということで「煌めきの近代」。大倉集古館が所蔵する近代の絵画や工芸の展覧会です。残念ながら絵画の方は展示替えが頻繁にあるようで、パンフレットに載っていた小林古径の木菟は1月末まで。残念です。と言ってはなんですが、橋本関雪の描く猫にやられてました。凛としたペルシャ猫って素敵な可愛さで、素敵だわ。思わず絵はがきを買ってきましたが、やっぱりスキャンして壁紙にするのが良いかしら?

ところで、伊藤若冲の乗輿舟が有ったのはフェイントでした。てっきり明治以降の作品だらけの展覧会だと思ってたので。若干虫喰いの痕が見えますが、そこは眼力で補完して。かなり近くでみると、伏見から鳥飼迄の地名も読み取れて、面白いです。

泉屋博古館分館「中国青銅鏡」

正直なところ、青銅製品は余り得意ではありません。いや、もしかすると青銅製品が苦手なのではなくて、青銅製品が大量にあるのが財閥コレクションばかりなので、成金趣味に見えて好きになれないだけかもしれません。

今回の青銅鏡は、京都の泉屋博古館に建物一つ埋まるほどの大量に所蔵しているものを一部、東京に持ってきたもののようです。なので種類が多いです。鏡の裏には星が書いたものや漢字を書いたもの、ほとんど花鳥画になっているものとか,流石に数があると、気になるものもありますねぇ。でも、やっぱり苦手かも……。
そもそも、紀元前2世紀のものが何でこんなに日本にあるのか、中国にもちゃんとあるのか、そんなことが気になってしまうのがねぇ……。

畠山記念館「酒井抱一

今年は酒井抱一の生誕250年ということで、酒井抱一の展覧会が多いです。
琳派の中では抱一は3番目に好きですが(一番は宗達、二番は其一)、見ないというてはないので、生まれ初めて畠山記念館に行ってきたのです。

展示室の中は畳敷きのところがあって、畳にあがって宗達や其一の掛け軸を見ていると何とも落ち着きます。やっぱり好きです、宗達さんに其一さん(たから、抱一の展覧会なんだけど……)。

この展覧会、2月19日からは全作品を入れ替えての後半戦がありますので、そのときは抱一の作品を楽しめたらなぁと(をぃ)。

山種美術館「歴史を描く」

最後に行ったのは山種美術館。明治以降に描かれた江戸時代以前の様子を描いた絵画を大体歴史順に並べています。伊勢や源氏の王朝もの、平家などの武士の絵、戦国大名などの肖像画、松園の描く江戸風俗と、いろんな種類があるものです。こうやって並べると、好きなのはやはり王朝もの。森村宜永の「夕顔」が、上の方の金粉銀粉で描かれた雲や御簾の細かさが、何とも素敵でした。

上村松園の絵は小さい方の展示室に固めて展示してあって、すべての壁が松園で覆われている贅沢な空間になってました。素敵な光景です。
ところで、松園さんは若い頃の方がほんわかとした女性を描いているように見えたのですが、本当にそうなのか昨年東京国立近代美術館で行われた展覧会の図録で確認したいと思います。


と、3時間30分で4カ所の美術館を訪れてしまいました。うーん、ちゃんと早起きをしないと、見方が荒い気がしますわ……。