月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

手塚治虫のブッダ展@東京国立博物館

手塚治虫さんの作品に「ブッダ」というのがあります。釈迦の誕生から涅槃までの間を何年も掛けて描いたものです。今回、この漫画がアニメ化されるのに合わせて、この漫画と仏像を重ね合わせて、ブッダの生涯をたどってみようという展覧会が企画されました。漫画とのコラボなんて、一昔前には想像も出来なかったことですが、東博も柔らかくなりましたね。


さて今回の展覧会、アニメ化されるのに合わせての開催なので、音声ガイドもそのアニメの声優さんが担当していまして……水樹奈々さんが担当です。いちおう、水樹さんの隣国の姫君にお仕えしている身としては聴いてみないという選択はありません。ということで、珍しく音声ガイドを借りて入ってみました。とりあえず、声優水樹奈々さんファンの方は、借りて損はないかと。また、映画ブッダの前の事前学習としても、音声ガイドが効果的です。

ただ、声優さんには興味が無い、一般の美術好きの皆さんには、この音声ガイドは余りお薦めできないかも。ちょっと声が高すぎて聴き取りにくい(と言っても彼女の地声ですが)のと、原稿が悪いようでやたらと読点が多い。ちょっと引っかかる感じでした。


さて、音声ガイドではなく展示されている仏像のほうですが、その多くは東博の収蔵品、東洋館が閉館中のため展示されずにしまわれていたものでした。ですが、東博収蔵品でないものの中に2点、特に素晴らしい仏像がありました。

1つめは、深大寺の釈迦堂に安置されている白鳳時代の仏様。椅子に座って、長い袖もすらっとして、何とも可愛らしい仏様です。昭和になってから造られた、仏様をお守りする厨子も素敵な色でした。

そして、カブールの名宝、「カーシャパ兄弟の仏礼拝」。1月の平山郁夫展でも登場した、カブール国立博物館で名品とされた彫刻です。まさかこんなに早く再開できるとは思っていませんでしたが、やはり群衆表現が非常に良いと思います。


ということで、仏像を見るには点数が少ないのが難点ですけど、仏像には興味があるけど余り仏教やお釈迦様に詳しくない人の、入門としては良い展覧会ではないかと思う次第です……。