月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

五百羅漢展@江戸東京博物館

江戸東京博物館で開催されている、五百羅漢展を見てきました。
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この展覧会、元々の会期は3月15日から5月29日までだったのですが、3月11日の地震で空調設備が故障した影響で、会期を5月1日から7月3日に変更して開催されることになったのものです*1


で、展示されているのは、増上寺に伝わる五百羅漢の掛け軸、全100幅。1幅に羅漢様が5人ずつ描かれて、それが100幅有るので五百羅漢というものです。描いたのは狩野一信という幕末の画家。この五百羅漢の掛け軸は、前に板橋区立美術館で数幅見たことがありますが、色調と題材の重さに胸焼け寸前となったのを覚えています。それが今回は100幅ですからどうなるのか、ま、半分怖いもの見たさです。


で、中に入ると、混雑は1幅に2〜3人程度です。待ち時間は有りませんでした。流石に写楽やレンブラントと今の展覧会業界は強豪揃いですので、こちらの注目度はさほど高くないようです。で、見るのには、1幅ずつ、さらっと眺めるだけで1時間かかりました。真剣に細部を見て行くと、2〜3時間はかかりそうです。その意味では、まさに重量級の展覧会です。

それでは、実際に五百羅漢を見ていきましょう。不思議だったのは、1幅だけ見るとくどく感じる羅漢様が、100幅まとめると意外とあっさり風味だったこと。もしかしたら、事前の心構えの差だけかもしれませんが(食あたり覚悟で見るのと、そんなものがあるとは思わずに見るとの差)。
それにしても解説がいちいち面白いのは今回監修されている山下裕二先生の差し金でしょうか?。朝まで生テレビとか、羅漢動物園、羅漢病院とか、会場で吹き出さないようにするのが一苦労でした。

ただ、100幅もあれば全てが均一の品質とは行かないわけで、後半の方になると、羅漢様が小さく、動きも少なくなっていくように感じました。狩野一信が一人で描き上げたのは最初の24幅という説も聞こえてきていますので、そういった、違いを探すのも面白いかと思います。


そうそう五百羅漢展、ケースや照明が良かったです。まるで江戸東京博物館では無いみたい(をぃ)。成田山新勝寺の巨大な掛軸は、時間によって明るさが変化する趣向。明るい時と暗いときで、仏様や羅漢様の表情が変わりますね。


ということで、万人にお勧めできる展覧会ではないと思いますが、くどい絵を100枚の覚悟が出来る方にはお勧めと思います。

*1:この影響で、6月21日から開催予定だった都営交通100年の展覧会が、いつから開かれるのか、皆目見当が付かなくなっていますが