月猫ツーリスト雑記帳

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ボストン美術館浮世絵名品展@千葉市美術館

千葉市美術館で行われている、ボストン美術館浮世絵名品展に行ってきました。
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この展覧会、3月下旬に山種で見た展覧会が巡回したものです。東京の後に千葉に巡回するというのも面白い展開です。なお、千葉の次は仙台に巡回するはずだったのですが、大地震の影響で中止となっています。なので、この展覧会は千葉で6月5日まで開催するのが最後、ということになります。


さてこの展覧会、山種美術館で以前見たものですが、ライティングがかなり異なっており、そのため印象がかなり違いました。山種美術館も千葉市美術館もLED照明を採用しているのは同じでしたが、山種は従来の照明の明るさをベースにしていて、部屋全体は暗い中にスポットライトで作品が浮かぶ感じなのに対し、千葉市美術館は部屋全体がLED照明で明るくなっていました。もしかしたら、壁の色が山種は黒、千葉は白だったのでそう感じたのかも知れませんが。明るいところで見る浮世絵というのも良いものです。若干鳥目さんなところのある私にとっては、LEDライトの明るさが正直嬉しかったです(眼鏡を買い換えろという話もあります)。

そういえば山種美術館で見た際は発色の良さに感動していたのですが、前日に見た写楽展(東京国立博物館)でとんでもない発色の浮世絵を何点も見てしまったせいか、今回は発色は余り感動せず。代わりに、覚え立ての技法を見つけたりして喜んでいたり。写楽の背景にキラキラ輝くものを見つけて、なるほど黒雲母と思ったりしていました。


気に入った作品としては、鳥居清長の雛祭りの子供たちを描いた作品。これは花や衣装の桃色が綺麗でした。
それから、喜多川歌麿の「琴棋書画」。極端なまでの遠近表現が楽しいです。
鳥文斎栄之の「品川の遊宴」。これは品川というと必ず出てくる浮世絵だと思いますが、バックの海が、よく見ると細かく色々なものが描かれています。この人、風景画の表現が現代風で面白いです。


ところで作品を見ていて思ったのですが、1794年の蔦重さんはノリノリで仕事をしてたんでしょうね。この年、清長、歌麿、写楽のいずれもが、版元蔦重で作品を出してまして、何かとても凄い年に思えます。


ということで、前日に写楽展を見たせいか、今までよりは少しだけ、人物画の浮世絵も鑑賞できるようになった気がします。いや、まだ苦手なんですけどねっ。