月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

土日の関西巡検より(日曜日編)

さて、昨日に引き続きまして、土日の関西巡検より、日曜日の話を書き出しておきましょう。


ということで、ホテルを9時過ぎに出て、最初に向かったのは天王寺公園の中にある大阪市立美術館。ここでは、岸田劉生の展覧会をやっているのでした。

その岸田劉生展。冗談で言っていたはずの麗子の部屋がちゃんと存在しました。沢山まとめて見ると、麗子さん、かわいいです。二人麗子とか麗子曼荼羅とか見ていると、このお父さん本当に麗子さん含め家族が好きなんだなということを、真っ先に感じます。
麗子さんの絵では、泉屋博古館分館蔵の二人麗子が好きですわ。絵のモデルをする時はじっとしてないといけないから笑ってもいられないでしょうが、この絵は二人の麗子の間での会話も聞こえてきそうで。 あと風景画は、療養で鵠沼に転居してから空気が柔らかくなったようで、良かったです

2階に上がると通常展。こちらでは中国書画と仏教美術の特集をやってました。中国書画は流し見でしたが、清朝の頃のものが軽やかな感じがして好みでございます。なんか江戸絵画にも通じるおしゃれな感じがするのよね。

仏教美術の特集の方は、最初の部屋に東博11室の様に大きな仏像が並んでいて、それだけでテンションが上がります。他にも快慶の仏像があったり、仏画も平安時代のものだったり、いや楽しかったです。事前情報を掴んでなかったので、ちょっと舞い上がってたかも、私。


大阪市立美術館を出たあとは、せっかく天王寺公園の中にいるので併設の温室に。うむ、ランとかベゴニアがあったけど、一寸盛り上がらない感じです……。


大阪市美の次には藤田美術館へ。ここは取り敢えずとんでもないものが出てくることが多いので、開館している時には行ってみることにしてます。
で、行ってみると確かにとんでもないものがあって、玄奘三蔵絵に8月の奈良博以来の再会。思わず「天竺へ」思い出しながら見てました。といっても、今回展示されていたのは奈良の時の60分の1程度、なんですよね……。全巻まとめて見ることが出来る機会は、次はいつになるのでしょう……。


藤田美術館からは梅田に出て、阪神梅田駅から姫路行きの特急に乗って90分、終点の姫路に向かいます。
姫路駅からはお城のほうに向かって一路驀進。姫路城は改修工事中で覆いをかぶせた状態でしたが、覆いをかぶせても堂々としているのは流石です。


ということで、最後に訪れたのは姫路市立美術館酒井抱一展。最終日のラスト1時間でしたが、入場制限がないだけ、という感じの混雑でした。ま、正直通路が狭すぎるだけという気もしますが。 内容は、酒井抱一が3分の2程度で、残りは抱一以降の江戸琳派でした。その残りの部分の方が私にはメインだったかも。
酒井抱一展なんですが、私は鈴木其一が好きなんだということを再確認。抱一さんのところでは感心はすれどもですが、其一さんのところでは笑ったりずっこけたり感心したりと忙しい。なんなんでしょうね、この差は

ところで不思議だったのが、江戸琳派のコーナーで、これは変わった絵だと思うと、必ず板橋区立美術館蔵と書いてあったこと……。狙ってるのか?板橋区美?

少しは抱一の感想も書かないと。目玉の夏秋草図屏風は人だかりでした。まぁ東博で何度も見てますけど、見入っちゃいます。草木の表現が写実的なのが好きです。あと、花鳥図の屏風が数点ありましたが、可愛い鳥と可憐な花と垂らし込みの枝が、しっとりした感じで、どれも良いです。


ということで、姫路市立美術館に1時間滞在すると、もう閉館時間。再びせっせと姫路駅まで歩いて、すぐに新幹線に乗って東京に戻ると。14年ぶりの姫路なのに、美術館まで往復しただけで帰る、それで良いのか、我が人生?(汗)


全く慌ただしい旅行でしたが、麗子ちゃんと其一さんにすっかり癒されました。良い展覧会は別腹でございますわね、全く……。