月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

土曜に廻った展覧会より

この土曜日に行った展覧会について、twitterに書いた感想を若干加筆修正してあげておきます。いや、この日はどの展覧会も、とても良かったですよ。

ゴヤ展(国立西洋美術館)

最初に訪れたのは西美のゴヤ展。これはとても疲れました。銅版画が多いから見るのが大変というのもありますが、愚者を風刺する絵がどうも駄目で…これが続くと疲れるのです。当時の時代としては普通の題材でも、今の視点だと辛いです。
で、気づいたのが、私は18世紀のヨーロッパについての知識が根本的に欠如していること。おかしいな、西洋史学専修課程卒のはずなんだけど(汗)。ちゃんとフランス革命前後の時代も勉強しなきゃ…。

絵画のほうは、初期のタペストリー原画が明るい色彩で好きです。お姫様可愛かったし(結局そこかよ)。あと、着衣のマハは5重の人垣が出来てましたが、衣の質感が素敵でした。そして、肖像画のなかにいた王子、男の娘っぽくて可愛いわぁ(妄想止めなさいよ…)

ノーベル賞110周年記念展(国立科学博物館)

科博のノーベル展。前半のノーベルさんのコーナーと、後半の日本のノーベル賞コーナーに分かれていましたが、立体的な前半と平面的な後半の落差が激しかったです。内容的にそんなに惹かれるものではなかったけど、前半の展示は格好良かったです。あれがヨーロッパ水準と言うものなんでしょうね。

総合文化展(東京国立博物館)

東博では「法然親鸞」展をやっていますが、この日はパス。裏庭と本館を巡ってました。紅葉はまだまだでしたが、展示作品は色々と楽しく、100枚ほど写真も撮影してホクホクです。

セガンティーニ展(損保ジャパン東郷青児美術館)

損保ジャパンのセガンティーニ展。30年前から毎年のように大原美術館に行っていた私にとってはなじみの画家。なので、日本であまり有名でない、と言われると首を傾げてしまうわけで。ということで、久しぶりに「アルプスの真昼」に再会できたのが嬉しくて。空の青も人なつっこい羊も好きですわ。

今回の展覧会は時代順に作品をならべているので、分割技法の前後での色の違いが判りやすかったです。これで西美の所蔵する羊の毛刈りの絵もあれば、もっと判りやすかったとは思いますが。それにしても、亡くなるのが20年は早いですよ、セガンティーニさん…

南蛮美術の光と影(サントリー美術館)

最後に行ったのはサントリー美術館の南蛮屏風。桃山時代は、日本なのに日本じゃない感じがする華やかさに惹かれます。金色だけでなく、彩色も鮮やかです。

最初のほうにあった南蛮屏風、南蛮寺の扱いと描いた時期の関係は、言われなかったら気づかなかったと思う発見です。明治にバイエルンに渡って、また平成に日本に戻ってきた南蛮屏風というのが有りましたけど、どんな流転のドラマがあったのか、一寸知りたかったり。またレパント戦闘図というのがありましたけど、ヨーロッパでの戦争を描いた絵画が日本にあるというのも、不思議な感じです。しかし、ローマ教皇軍はSPQRなのね……。意味わかって使ってんのかね、ローマ教皇軍は?、と余計なことを考えたり。

泰西王侯騎馬図は、先日の日曜美術館で予習してから見たので、細部まで見ることが出来ました。個人的には、サントリーのが四曲一双、神戸市美のが四曲一隻なのが不思議だったのですが、神戸市美のほうは元々四曲一双だったと思われるかすれが確認できて、一つ疑問が解消です。それにしても、泰西王侯騎馬図、日本で描いたにしては上手すぎる気がするし、海外で描いたにしては元となった絵がありそうなのが違和感だし、何とも不思議、ですね。