月猫ツーリスト

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

空からの眺め−大江戸八百八町@太田記念美術館

日曜日は原宿に行って、太田記念美術館に入ったのでした。
太田記念美術館は月替わりで展示が変わりますが、今月のテーマは「空からの眺め」。東京スカイツリーの開業を記念して、だと思いますが、高いところから眺めた様子を描いた浮世絵の特集となっていました。

展示は全部で5つの章に分かれていましたので、それぞれの章ごとに、適当に感想めいたことを書いてみたいと思います。

江戸のスカイツリー

まず最初のコーナーは、スカイツリーで有名になった歌川国芳の「東都三ツ俣の図」と、そのスカイツリーを予言したような塔に似た似た塔が描かれている図を描いた浮世絵が展示されています。

とりあえず、「東都三ツ俣の図」は何度か見る機会があったものに、前期にしか展示されてなくて見逃したり、人が多すぎてちゃんと見れなかったりなどで、じっくり見るのは今回が最初。とりあえず、立っている位置はスカイツリーと同じものの、形状はスカイツリーというより、アンテナとか電波塔とか、そんな感じだなぁと。


と、スカイツリーって電波塔じゃなかったっけ?(汗)


実際のところは井戸掘り櫓がとても高かったようで、井戸掘り櫓を描いた浮世絵が何点かありました。たまたま国芳が描いたころに、浅草の対岸で井戸掘りをやっていたんでしょうかねぇ。そう考える方がスカイツリーを予言したと言われるよりも楽しい気がします。

スカイツリーから江戸の町を眺めてみたら?

続いては鳥瞰図のコーナーです。
鳥瞰図というと依然、神戸市立博物館で見た貞秀の展覧会を思い出します。その展覧会でも思ったのですが、こういう鳥瞰図を飛行機も気球もなしでどうやって描いたのかなと。これだけ想像力で鳥瞰図を描けるのだから、日本人の空間構成力は当時相当すぐれていたのではないかと、そんなことを考えたり。

そういえば何かの展覧会*1で、町の高い建物に登って見えた景色をつなぎ合わせて鳥瞰図を作った、というような説明がありましたが、江戸時代の人だったら火の見櫓に登って鳥瞰図を描いたのだろうかと。これも想像すると楽しいです。


展示されている中にあった「江戸名所一覧双六」。ゴールがお城なのはいいとして、サイコロを振って出た数を進もうにも、何処に止まればいいのかわからない(汗)。多分枠で囲った地名があるのでそこに止まれば良いのでしょうが、道から外れている箇所もあって……ちょっと遊ぶのが難しそうです。

「四ツ木通用水曳舟」という、水路を川船が行く様子をちょっと高い位置から見ている感じの絵は、川の藍色がいい色でした。あと、バックの筑波山も良いです。
それにしても、四ツ木も曳舟も京成押上線の駅名になってますが、本当に船を人力で曳くから曳舟なのねと妙に感心しました。


そしてこのあと、メモには「日本堤:浅草聖天町〜下谷三ノ輪」と有るのですが……。
絵を見ずに地名だけ見てるね、こりゃ(汗)。
ちなみに浅草聖天町は浅草寺の北、言問橋のあたりで、そこから三ノ輪まで直線の道路があるので、これが日本堤のようです。途中に吉原があるんですね。

俯瞰で見る江戸八百八町

先ほどの章よりも、ちょっと視点降りてきました。

ここでは、歌川広重の「名所江戸百景 する賀てふ」。三井越後屋の店に挟まれた道(今の三越と三井本館の間の道)の奥に富士山が見えるのですが、この富士山が極端に大きいのが面白いです。
ちなみに現在は、奥に見えるのは高速道路で、富士山は全く見えません。

眺めを楽しむ人たち

今度は、人に焦点を当てて、高いところから下界を見ている人たちの浮世絵です。
出てくる地名は、愛宕山や増上寺の山門、飛鳥山と、おなじみの観光地が続きます。そういえばここもブラタモリで見たなと、そんな感じ。
あと御殿山を描いたものもありましたが、御殿山を砲台建設のために無くしたのは失敗よね、などと思ったり。

また、深川の五百羅漢寺にあった「さざえ堂」というのがどんなものだったのか、かなり気になります。
さざえ堂というと会津若松にある二重らせんが思い浮かぶのでねぇ、構造がどんなだったか、興味が出ちゃって

さまざまな俯瞰図の世界

最後は、江戸以外を舞台にした俯瞰図、鳥瞰図です。

で、やっぱり出てるんですな、葛飾北斎唐土名所の絵」。中国全土の鳥瞰図とか、お前は人工衛星か!、とつっこみたくなるものです。天山山脈の辺りは水が潤沢にあって、さらには温泉などと書いてあったりと、北斎の想像力が無茶苦茶で愉しいわ。

それから新橋〜横浜の鉄道路線図がありましたが、線路が新橋から横浜まで直線なのね。なんか大正期の鉄道沿線観光地図の原形をみた気がします。



と、全体として楽しかったのですが、改めてここまでの文を振り返ると、これって浮世絵を見ての感想じゃなくて、地図関係の展覧会を見たときの感想、だよ、ねぇ……。

*1:たぶん、前に江戸東京博物館でやってて、今は仙台に巡回中のベネチア展のような気が