月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

生誕百年 高山辰雄・奥田元宋@山種美術館

27日までの展覧会の感想を27日の夜に書くのもあれですが……

ということで、山種美術館で27日まで行われていた「生誕百年 高山辰雄・奥田元宋」に行って来ました。
正直、高山辰雄も奥田元宋も特に思い入れや印象のある画家ではないですが、山種美術館のことだから他の画家の収蔵品も用いてうまく料理してくるだろうと期待してのことです。で、予想通り、文展日展に関わった画家の作品も交えての山種美術館所蔵品展となっていたのでした。さすが安定の山種クオリティです。


今回の展示の目玉は、高山辰雄は「聖家族」、奥田元宋は「奥入瀬」(春、秋とも)、そして密かに東山魁夷の京洛四季(春夏秋冬4枚とも揃い踏み)と、50作品ほどの展示なのに目玉が多いです。
特に奥入瀬の春と秋を同時に展示というのは絵の巨大さを考えると、そうそう機会がないのではないかと思ったり。なんとなく今回の展覧会、「奥入瀬」の2作品をどのように配置するか、から展覧会の構成やレイアウトを決めていったのじゃないか、そんな気までしてきます。

その奥入瀬。(春)は新緑、(秋)は紅葉を描いているのですが、その色の鮮やかさが良かったです。勿論、新緑や紅葉の色は1色ではなくて様々な緑や赤がグラデーションになっていて、綺麗です。
と、ここでふと、印刷された「奥入瀬」(秋)をみたのですが*1、印刷じゃ綺麗さを再現できてませんね……。やはり実物を見るのが一番です*2


奥入瀬以外だと、川崎小虎の「春の訪れ」が、淡い色彩が桃源郷のようで良かったです。これを見たのは初めてのような気がしていたのですが、ザ・ベスト・オブ・山種コレクションに出ていたようで……何で記憶が無いのでしょうね(汗)。


ということで、既に展覧会が終了してしまったので是非、とは言えませんが山種美術館にはずれなし、次回2月9日からの琳派展も期待したいところです。
琳派展と言いながら、そこは山種、ちゃんと近代日本画も登場するようですしね。

*1:ザ・ベスト・オブ・山種コレクションの図録

*2:だったら展覧会が終わった後に感想を上げるんじゃありません