三の丸尚蔵館の所蔵品展、前回に引き続いて後期展示にも行ってきたのでした。
元々狭い三の丸尚蔵館ですが、今回は巨大な屏風が出ていることもあって10点弱の展示品しかなくて。でも、物足りないとかいうことが無いのは屏風の巨大さと作品の素晴らしさのせいなんでしょうかねぇ。
とりあえずまた、気に入った作品(全体の過半数超えてます)について、簡単にコメントしてみます。
- 06俵屋宗達「扇面散屏風」
- まずは左側の壁面に、宗達の扇面散屏風。扇面に合戦の場面が描かれているものが多いようですが、時期的なものなんでしょうか。合戦絵は動きの有るものが多くて迫力ありますね。あと、人物の輪郭線などが太い感じがしますが、岩佐さんや永徳さんなんかも輪郭線は太めなので、これもこの時代の要請かもしれません。
- 01高階隆兼「春日権現験記絵」
- 前期から場面替えをしたら男ばっかりの世界になってしまいました(汗)。男には興味がないので文字を追ってみたのですが、「信」という字をことごとく書き直しているように見えるのが気になります。避諱でもあったのでしょうかね
- 05「萬国絵図屏風」
- これぞ、ザ・南蛮、といいたくなる屏風。左隻は世界地図、右隻は各国の都市の鳥瞰図になってます。
地図のほうは、一番左の部分が実は一番右の右側にあったそうで、確かにそうすればヨーロッパ中心の地図になるし、装飾も左右対称になりますね。少しでも日本を中心部に寄せるために、アメリカ大陸を左右に分割するようにしたのでしょうか。 - 14「薩摩焼透彫香炉」
- 薩摩焼の香炉です。香炉の蓋の所の細工が無茶苦茶細かくて、以下にも大正期の超絶技巧という感じですわ。
- 07伊藤若冲「動植綵絵」(群鶏図,紅葉小禽図)
- 若冲さんの動植綵絵は全30幅中、2幅だけの展示です。まぁここの広さでは、一度に展示できるのは10幅行くか行かないか、というところ。解説として裏側から写した写真も展示されてましたが、中々エキセントリックな色で面白いです。裏から見ても紅葉の葉の一枚一枚が色違いとか、いつもながら丁寧すぎて自分には描くのは無理、と思うわけです。これは表から見ての発見ですが、小鳥のおなかの毛も一本一本ちゃんと描かれていて……。丁寧すぎるというのも恐ろしいものです
という感じで、一桁の作品数で充分満足って凄いですわ。コストパフォーマンスも良いですし(それ以前に無料ですって)。
この展覧会、24日まで(休館日は月曜と金曜)ですので、勤労感謝の日に東京にいる方にはお薦めしたいです。
おまけ:三の丸尚蔵館のあたりは、すっかり秋でしたねぇ。
ジュウガツザクラ
ちょっと色づいてる
鳥は暴れてる(え?)