月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

北陸新幹線の試運転開始

2015年春に開業する北陸新幹線の長野―黒部宇奈月温泉(富山県黒部市)間で2日未明、試験走行が始まった。長野駅のほか、初めて車両が走る飯山駅(長野県飯山市)、上越妙高駅(新潟県上越市)には、多くの地元関係者が集まり、歓迎の式典を開いた。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201312020060.html

ということで、新聞報道を見ると、2日の未明からEast-iが北陸新幹線の長野以北を走行したそうで、金沢までの開業にまた一歩近づいたようです。

で、ちょっと気になったのが、今回の試験走行区間が長野〜黒部宇奈月温泉までということで。上越妙高でも富山でもない、途中の中途半端な黒部宇奈月温泉というのも妙な話です。
実はこれ、北陸新幹線の建設決定がパッチワークのように妙な区間から決まっていった歴史と係る話でして……。


話は国鉄分割民営化まで遡るのですが、ちょっと年表風に書き出してみますと

1987年
国鉄分割民営化により、JR3社(東日本、東海、西日本)が新幹線保有機構に対して新幹線のリース料を支払うフレームができ、このリース料が整備新幹線の建設費用に当てられることに。
1988年
運輸省より、建設費削減を目的にした運輸省案が提示され、決定
・高崎〜軽井沢:フル規格
・軽井沢〜長野:ミニ新幹線
・長野〜糸魚川:在来線のまま
糸魚川〜魚津:スーパー特急
・魚津〜高岡*1:在来線のまま
・高岡*2〜金沢:スーパー特急
1991年
長野オリンピックの開催が決まったため、軽井沢〜長野をフル規格に変更
1996年
長野〜上越をフル規格に変更。この時点で
・高崎〜上越 :フル規格
上越糸魚川:在来線のまま
糸魚川〜魚津:スーパー特急
・魚津〜石動 :在来線のまま
・石動〜金沢 :スーパー特急
2000年
上越糸魚川と黒部〜富山をフル規格に変更。これにともなって、糸魚川〜黒部もスーパー特急からフル規格に自動的に変更*3。この時点で
・高崎〜富山:フル規格
・富山〜石動:在来線のまま
・石動〜金沢:スーパー特急
2004年
富山〜石動をフル規格に変更。これにともなって、石動〜金沢も自動的にフル規格に
・高崎〜金沢:フル規格


こんな感じで約5年おきに少しずつフル規格の区間を伸ばしていくから……。1996年の時点で、長野〜黒部の区間は上越糸魚川を除いて建設が決まっていたわけです。で、2000年には上越糸魚川も着工が決まってたので、その先の区間より工事が進んでいたわけです。

こういう歴史を見ると、正直、上越まではもう8年くらい前に開通していても良かった気がするんですけどねぇ。だいぶ金沢に付き合わされてるなぁと思うのです。

*1:高岡は地元の反発で後に石動に変更

*2:高岡は地元の反発で後に石動に変更

*3:黒部〜魚津は在来線との接続区間のため、着工せずに計画破棄