月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

東山御物の美@三井記念美術館

三井記念美術館で開催されている、東山御物の展覧会を見てきました。


東山御物とは室町将軍家が代々集めた名品のこと。当時は平安貴族の国風文化とは違うからなのか、中国文化が流行してて……、要するに今回の展覧会は中国からやって来た唐物が中心です。
私個人としては中国絵画などは苦手の部類ですが、まぁこれらの作品を足利義政も眺めていたという来歴込みで楽しむべきなのかなと思う次第です。


ま、それはともかく気に入った作品を10、紹介してみます。紹介する作品が工芸品に偏っているのは、三井記念美術館の展示室1の雰囲気がかけた魔法だと思って頂ければ……(何ですかそれは)

注意:
今回の展覧会は展示替えが非常に多いので、紹介する作品の中には早期に展示が終了するものもあります。ご注意を。


まずは、展示室1と2、木目調の落ち着いた室内で見る工芸品の数々です。

57.「玳被盞 鸞天目」(三井記念美術館蔵)
外から見ると普通の天目に見えるものの、内側には鳳凰の模様が描かれていまして。こういう、隠れたところにある絵とかって好きですわ。
56.「建盞」(林原美術館蔵)
こちらも天目。藍色とも黒色ともつかない色が良いです。
78.「春日山蒔絵硯箱」(根津美術館蔵)
蒔絵で描かれた赴きある秋草。なのに鹿の顔が間抜けでかわいい(どこを見ているのだ)。
[参考:根津美術館のコレクション解説]
59.「青磁輪花茶碗 銘馬蝗絆」(東京国立博物館蔵)
ひびが入ったので代替品を求めようとしたものの、これだけのものはもう作れないと言われて鎹でひび割れを止めただけで送り返されたという、逸話だけでおいしい青磁の茶碗です。たしかに左下に止めた跡が見えます。
[参考:東京国立博物館の名品ギャラリー]
55.「油滴天目」(大阪市立東洋陶磁美術館蔵)
国宝の東洋陶磁美術館の油滴天目。お久しぶりです。これは中心に向かって吸い込まれるような藍色が好きですわ
[参考:東洋陶磁美術館の収蔵品紹介]


続いて展示室4の絵画作品から

4.(伝)徽宗「鴨図」(五島美術館蔵)
芸術家皇帝の作品とされるもの。鴨さんの背中に首を回す動きが見えるのと、水かきの存在感が目を引きます。
11.李迪「紅白芙蓉図」(東京国立博物館蔵)
なんか見覚えがあると思ったのは、東博の所蔵品だからでした。けど、写真は手元になくて……。ピンクのほうの芙蓉の花が、グラデーションが素敵です
[参考:東京国立博物館の名品ギャラリー]
19.(伝)馬麟「梅花双雀図」(東京国立博物館蔵)
雀さんが寄り添ってるのが可愛いのですっ
[参考:e国宝の解説]


展示室5と展示室7にも、優品が有りました

84.「独釣文堆黒輪花盆」
仙台の伊達さんが所有していたものだそうで。彫りの細かさもありますが、建物を彫っているのが珍しいと感じました。
106.(伝)狩野元信筆「養蚕機織図屏風」
養蚕の場面を描いた山水画。四季耕作図屏風の養蚕版ですね。全体的に穏やかにな感じなのと、あと紙の質によるものなのか、色がよく残ってます。


結局のところ月猫さん、将軍の愛用品だろうとなんだろうと、可愛いとか綺麗とか、そういう視点で好きなものを見つけるのは変わりませんね……。