6日の土曜日は、郵政美術館の後に音羽の講談社野間記念館に行ってきたのでした。
ちなみにこの季節はどこでも紅葉がいい感じでして、野間記念館の前庭も色とりどりで。
ついでに野間記念館の周囲でも紅葉が見られまして。
そんなわけで講談社野間記念館のテーマは「秋の彩り」ということで、展覧会を見る前に秋の彩りを堪能してしまいました(汗)。
などと言わず、日本画の中の秋の彩も見てみましょう……。
今回の展示は
- 最初の2つの展示室が通常の展示、というとあれですが、日本画の屏風や掛け軸の作品
- 第3室は12か月図の10~12月だけを取り出して、多数の方の秋を
- 第4室は野上豊の描いた絵本や文芸雑誌の挿絵
という構成になってます。
なので、感想の方も、最初の2つの部屋を中心に。
- 川合玉堂「渓村秋晴」
- 一つ目の部屋の一番最初に玉堂さん。テンションあがりますね。
渓谷の秋を描いたものですが、この絵は谷底に橋にあって小さな人がいたり、左の方の高台は河岸段丘でできた平地のようとか、実際の自然に忠実なところも良いかと。ぜひ、地理好きな方にも見てきただいたい作品です(なんのこっちゃ) - 荒木十畝「晩秋」
- 秋草に鶉という構図。秋草は中央に描かれているにもかかわらず、可憐さというか儚さというか、そんな感じのする不思議さがあります。
- 吉川霊華「孔雀秋草」
- 金泥で描いた孔雀の姿が、まるで天平の壁画とか正倉院宝物を見ているような輝きがあります。秋草は銀泥だったのか黒いですが、ここは心の目で銀色だったことにして……(汗)。
- 蔦谷龍岬「嵯峨野の里」
- 秋に嵯峨野にいる姫君というと、六条御息所でしょうかねぇ。寂しい感じも六条御息所っぽい感じがします。
- 平福百穂「草むら」
- 絡まり合う秋草が酒井抱一の夏秋草図屏風を思い起こしたり。
- 益頭峻南「霜楓山禽」
- 紅葉の色は赤一色じゃないですよとばかりに、緑と赤のグラデーションが色々と。確かに、赤一色の紅葉よりも、いろいろな色が有るほうが楽しいですよ。
そんなわけで、やはり私は近代日本画が好きなんだなということを再確認できる展覧会でした。
この講談社野間記念館と山種美術館は、その意味でとても良い美術館ですわ。