月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

雪と月と花@三井記念美術館

日曜日の話ですが、三井記念美術館での展覧会を見てきました。
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正月の三井記念館と言えば、丸山応挙の国宝「雪松図屏風」。これと東博長谷川等伯「松林図屏風」は、お正月の風物詩と言っていいのかと。


展示の方ですが、まず最初の1室から3室までは、いつものように茶道具や漆工芸品が並びます。
茶道具の雪月花は、その銘が雪や月や花に関係あるものということで、ちょっと見ただけだと何が雪月花なのか良く判らなくて……。それよりも、なぜか1室の部屋にあるカーテンをめくって外を見ようとする人が何人もいたことの方が気になっておりました……(それって感想?)


4室は絵画作品。ここのメインは正面一番奥にある、丸山応挙の国宝「雪松図屏風」ですが、見慣れていることもあるので他の作品に注目してみます。

山口素絢「雪中松に鹿図屏風」
展示室に入ると、鹿の正面が。ちょっと上目使いなのが可愛い。
岡本豊彦「雪中松に鹿図屏風」
同じタイトルですが、こちらは鹿のお尻がアップで。鹿と松の組み合わせを墨で描いてます。
酒井抱一「秋草に兎図襖」
秋草の中を、月からウサギが出てきて飛び跳ねている絵。襖ですが、板絵のような色合い。
円山応挙「梅花双鶴図襖」
これも応挙の作品。小ぶりの襖絵ですが、正面向きの鶴が写実的。
沈南蘋「花鳥動物図」(11幅のうち5幅)
動物図ですが、猫とか鳥はイマイチ可愛げがなくて。その代わり、花は濃淡とか丁寧で見ごたえがあります。
川端玉章「京都名所十二月」(12幅のうち、三月嵐山花、八月高台寺萩、十二月清水寺雪)
12か月の中から雪月花にちなむものを3幅展示してありました。月光とか靄とかの、ぼかし方が良い感じです。


続いて細長い5室。ここは色紙など小ぶりの絵画と、漆器類が並びます。

土佐光起「四季草花図色紙」
草花の描かれた色紙を拡げて、ここで唐突に「四季の草花名前当てクイズ」。絵を見て草花の名前を当てましょうという、三井記念美術館であまり見ない企画でした。それはともかく花の描き方が可愛らし買ったです。
円山応挙「富士山図」
応挙の富士ですが、山の形が、いかにもこれは実物見てないなと。
四季草花蒔絵源氏物語箪笥
蒔絵で描かれている秋草の表現が丁寧で良い。
象彦「月宮殿蒔絵水晶台」
水晶を飾るためだけの台。下の段も石とか埋め込んでいるから、ものが置けないです(置くな)。


とても狭い6室は、浮世絵の展示。貨幣博物館から借りたものもありました。

三代広重「東京名勝図会 よろひばしの雪降」
その貨幣博物館から借りた作品ですが、雪の日本橋in明治
水野年方「三井好 都のにしき」(12枚のうち3枚)
四季のファッション。袴女子っ(そこかよ)


最後の7室目は……寄贈品や能装束など、言ってみれば「その他」に分類される作品が来ていた感じです。

山本桃谷「草花図雛屏風」
藤が咲き乱れて華やかな感じの屏風。
三井高朗「草花図剪綵」
三井家の当主が切り絵に挑戦!という屏風。切り絵ですし、ちょっと大味なのも仕方ない。
川端玉章「草花図額」
玉章が描いた洋風静物画。秋田蘭画の流れを感じる色合い。
「菊図戸襖」「檜・槇・秋草図襖」
大倉喜八郎の別荘だった喜翁閣にあったもので、三井不動産から新たに寄贈されたもの。喜翁閣は最近まで船橋ららぽーとにあったので(ららぽーとの運営会社は三井不動産なので)、三井不動産が入手していたのでしょうね。


なんとも三井記念美術館らしい、落ち着いた展覧会でした。特に展示室4の江戸絵画は私の趣味にも合っていて、よかったですわ。

と言いつつ、2月からの展覧会「デミタス・コスモス」というコーヒーカップの展覧会も興味津々なんですよね。