月猫ツーリスト

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

新印象派展@東京都美術館

それなりの本数、展覧会の感想を書いている当駄文ブログですが、時にはどうしても感想を書けない展覧会というのもあるわけで。それも、内容が肌に合わなかった展覧会の感想を書かないのではなくて、気に入ったにも関わらず、気がついたら感想を書いてないまま過ぎている、という展覧会があるのですよ。

これから書こうとしている「新印象派展」もそんな展覧会で、12月末に大阪のあべのハルカス美術館で見た時も書けず、3月上旬に東京都美術館で見た時も書けずで……。書けなかった理由は判っていて、12月の時は鉄道旅行の途中で寄ったので、旅行記を書く方を優先してしまい、ほいで東京都美術館の時は、どう考えてもあべのハルカスの展示構成のほうが良かったので東京の感想を書く気が失せてしまったということなのです。
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あべのハルカス美術館の展示構成が美味かったのは展示室に入った直後からで、入り口を入るとまず最初に壁にテレビが並んでいて、そこで色彩分割の基本的な説明を見ることが出来ます。新印象派は科学的な理論に基づいて色を点描に分割していったわけですから、基本知識を仕入れた上で見るというのは良い方法だと思います。
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そういえば、大阪は入口の看板からして色彩分割を意識したデザインでしたわね。

また、今回の展示ではドラマ仕立てのコラムが随所にあったのですが、これがあべのハルカスでは自然と目に入るような場所にあったのに対して、東京は見てほしくないんじゃないかと思うくらい眼につきにくい場所にあって(片方の壁だけに作品がある場所で、反対側の壁の端に小さく貼ってあるとか、気づかんわそれじゃ)。

そんな差のせいで、大阪は章毎に起承転結というか序破急を感じるのに対し、どうしても東京は沢山ある絵を順に見ていくだけという感じになってしまいます。


と、展示構成の比較ばかりしているのもなんですので、展示作品の方も振り返っておきます。

展示の方は、まずは冒頭モネからスタートして、新ではない通常の印象派を眺めます。
そして、スーラとシニャックという点描のお二人が登場して……こう並べた瞬間に、印象派と新印象派の間には感覚的とシステム的の違いがあるんだということに気づきます。
そうそうシステム的といえばシニャックのパレットが展示されていましたが、これがバックギャモンの盤のように各色が短冊状に綺麗並べられていまして、几帳面にもホドがあるだろうと思った次第。

その後、スーラやシニャック以外の点描画の画家の作品が並びますが、点描は今のカメラや印刷と比べてドットが荒いため、細かな遠近表現が消えてしまい、平面的、装飾的になってしまう場合があるようです。
装飾的な作品を見ていると、ドニもこの辺りの作品を見ていたりしたのかなぁ、などと夢想しますが、本当かどうかは解りません。

そして最後はマティスで終わるのですが、初期のマティスが正しくモザイクを描いていたのに対し、次第に展が大きくなり、最後には点でなくてもいいだろとばかりに面を原色で塗るフォービズムになっていくという流れが圧巻でした。



とまぁ、今回の展覧会は点描を中心とした絵画の流れをなるべく直線的に見せようとしていたように思います。
そういう意図があったのなら、なおさら、展示の解説などで流れに誘導する努力をしたほうが良いと思うのですが、東京都美術館の展示はその努力が見えなかったんですよね……(結局展示構成の話に戻ってる)。


おまけ:あべのハルカスに展示されていた、まち針で作った点描画。90万本使ったそうで、圧巻だったです。
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