月猫ツーリスト

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

ボッティチェリとルネサンス@Bunkamura

Bunkamuraで開かれているボッティチェリの展覧会を見てきました。
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基本的にイタリアLOVE、ルネサンスLOVEな私としては見逃せないこの展覧会、タイトルが「ボッティチェリルネサンス フィレンツェの富と美」というのからも判るとおり、ボッティチェリに終始せず、フィレンツェ自体を題材にした展示もありまして、美術好きでなくても西洋の歴史好き(or塩野七生好き)でも楽しめる構成になっていました。具体的には、前半がフィレンツェの栄光に関する展示、後半がボッティチェリに関する展示、という感じの色分けでした。


そんな色分けですので、まずはフィレンツェの反映を示す資料から。
最初に展示されているのはフィオリーノ金貨。フィレンツェで鋳造された金貨です。
当時の貨幣は材質と重さが重要なので形は今のコインように綺麗な円、とはいかないのですが*1、ユリの紋章もカッコいいコインです。
で、その百合の紋章こそがコインの品質と信用の証なので、模造品もあるわけで。そんな模造品展示されてましたが、偽物との区別が良くわからなかったりして……。

あとこのコーナーにはボッティチェリの「ケルビムを伴う聖母子」が貨幣に関係ある作品(たしか、貨幣鋳造組合か何かに関係する作品という位置づけだったかと)として展示されてましたが、テンペラらしい色の残り方が良かったのと、マリア様が可愛らしくて自然にに目が行くのが良かったですな。


この先には、銀行に関する道具として金庫(同時に3つの鍵を操作しないと開かない厳重なものだった)や金庫の鍵などが有りましたが、金庫の鍵まで美的なのは流石フィレンツェという感じです。

また航海用の地図などもありましたが、この地図、紅海が赤く塗ってあるの。ほとんど赤潮ですよ。いくら何でもそこまで赤くないだろうにと突っ込みたくなります。

このコーナーにも一応、ボッティチェリの「受胎告知」があって、というか、各コーナーに最低1枚はあるのか?、こちらは初期の作品なのかガブリエルの羽が小さかったり、なんか劇的な感じに欠けてたり、初期の作品ポイイメージでした。


3章は「富めるフィレンツェ」と題して、贅沢禁止令をかいくぐって行われる贅沢を、って、江戸時代のようなフィレンツェです……。

このコーナーにはフラ・アンジェリコの「聖母マリアの結婚」「聖母マリアの埋葬」という作品があって、小さいサイズの中に細かく多くの人を描きこんでいるのが目を引きます。



そしていよいよ5章がボッティチェリ祭り。3方の壁がすべてボッティチェリの大型作品となります。これだけよく運んできましたなぁ。

などと言いつつ、まずはワシントンナショナルギャラリー所蔵の、ボッティチェリに帰属「聖母子と二人の天使」。これはキリスト支えている天使さんがなかなか可愛くって。少女の面影のある少年は実に美しいです(見る視点がおかしい)。

ウフィツィ美術館所蔵のフレスコ画の「受胎告知」。これはガブリエル生き生きしているのが良いです。

フランチェスコボッティチーニの「幼児イエスを礼拝する聖母」。このマリアさまは現代っぽい顔立ちで、若々しくくかわいらしいのが良いですな。



最後の6章では、メディチ家凋落後のボッティチェリについて。この時期はルネサンスの香りが消えてしまったような宗教画に戻ってしまうので、見ていて辛くなります。ということで、この部分については感想がメモに無くて。



という感じで一通り見ていきましたが、フィレンツェの繁栄についての資料を見ることが出来たのは、今までそんなに機会が無かったので貴重でした。それから、やっぱり好きだわ聖母子の絵は……というのを再確認できまして。

というかそれよりも、宗教画を見る視点として可愛いかどうかが基準なのは良いのか悪いのか……(汗)。

*1:一定の重さの金属の塊に刻印のためにハンマーでたたいておしまい、というのが古代ローマから変わらない当時の貨幣の製法です