月猫ツーリスト

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大ニセモノ博覧会@国立歴史民俗博物館

千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館で、「ニセモノ」をテーマにした展覧会をやっているというので、ちょっと行ってみました。
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今回の展覧会、単純に「ニセモノ=悪」という視点ではなくて、ニセモノが登場する背景や必然性も説明しているのが見どころでした。

まず最初は、ニセモノの地域性ということで、郷土の名士の家に伝わる掛軸などにニセモノが多い理由を明かしていきます。
もうね、「家の蔵の奥から谷文晁の掛軸が~」→「評価額:1000円」みたいな展開は鑑定団でもおなじみですが、そうなる理由として、郷土の名士たるもの自宅に地域の人を集めての接待をすることもあり、そういった場に掛軸や屏風の一つもないのでは様にならないというのがあるそうで。で、結果としてニセモノを掴まされてしまうのだとか。
で、そんな例としてとある方の家にあった掛軸を展示して、その真贋についてのコメントが張り出してあるのですが……。何ですかこの公開処刑状態(汗)。たしかに私の目から見てもこれはニセモノだろうというのがあるわけですが、今のように美術写真集や新日曜美術館があるわけではない江戸時代のこと、上手いこと言われて買ってしまったんでしょうねぇ。


次にあったのは、武田信玄徳川家康を騙る偽文書の数々。これはまぁ、当時の本領安堵状や年貢の減免許可証があれば代官と戦えますもんねぇ。


そしてこの辺りから、ニセモノはニセモノでも、イミテーションとかフェイク、要するに真似たもの、の世界に入っていきます。縄文人が作った貝の腕飾りを真似たものとか、お葬式の造花の花輪とか、そういったものです。なかなか花輪の展示が派手でしたが(「祝!大ニセモノ博覧会開催!」とかデカデカと書いて、どこのパチンコ屋さんですか状態)、これも、内陸で貝殻が手に入りにくいとか、冬場で生花が手に入りにくいといった、材料が入手困難なことに対する工夫と思うと、凄いなぁと。
ちなみに花輪については更に変化球で、タオルで作った花輪だとか、最後にはお菓子とか缶詰を詰めてしまう花輪になると、何がどう進化したらそうなったのか、素人目にはよく判りませんでしたが……。


それから、今回の呼び物だった人魚のミイラ。これ、わざわざ今回の展覧会のために当時の製法通りに作ってみたそうで……。元気だなぁ、学芸員さん。


という感じで全体を見ると、ニセモノやイミテーションの社会的な意味を説き起こした、面白い展覧会でした。今回ばかりは、歴博の特別展会場の狭さが残念でしたわ……。


おまけ:行った日は、佐倉も丁度桜の季節だったんですよ。
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