月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

アール・ヌーヴォーのガラス@パナソニック汐留ミュージアム

最近、「パナソニック汐留ミュージアム」というのが長くて面倒なので、「パナ留美術館」と略すことが多くなってます、なんてことはどうでもいいのですが、「アール・ヌーヴォーのガラス」という9月6日までの展覧会を、やっと9月5日に見てきたのでした。
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最近、美術館フロアで看板の撮影等が一部制限されるようになったので、地下の汐留シティセンター手前のスペースにある広告を撮影することが増えました……。


この展覧会、ドイツのデュッセルドルフ美術館が持つコレクションを用いたもので北から順に全国巡回中。この後、名古屋→福岡→山口→高知と巡回します。

なんでも、関内で放映されていたデュッセルドルフ美術館の紹介映像によると、まとまった数のアール・ヌーヴォーのガラスを見ようとすると日本に行く以外の方法としてはこのデュッセルドルフ美術館のコレクションを見るのが唯一の方法だとか。というか、そんなに日本にアール・ヌーヴォーのガラスが集中してましたっけ……*1

ということで、日本を除くと世界最大のコレクションが日本に来ているわけですから、今ここで日本が沈没すれば、この世からアール・ヌーヴォーのガラスが消え去ってしまうわけです(ゑ?)。



そんな、日本を除くと世界最大のコレクションを見たわけですが普段日本にあるコレクションで目が肥えすぎているのか、なんか飛びぬけてすごい、というのは余りないなぁと。いやその、ぜいたくすぎる感想ですが。


そんな中でも気になったものについて、簡単に書き下してみます。

冒頭は、この19世紀末のヨーロッパ美術をやると最近必ず登場するジャポニスム、そしてその影響の濃いパリで作られた作品。ということで、ガラス表面に立体的な鯉が滝登りしているようなものもありましたが(北斎の作品を元ネタにした題材のようです)、ちょっと作品として濃いなぁと。
それよりもそこから発展して、実際の草花を表現した感じのもののほうに心惹かれるわけで……

そんな中で、「花器(水生植物)」(16)は、浮き出している白い花が清楚で、淡い色彩もあって自然な発色が良かったです。


第2章では(と言っても1章と2章しかないのだが。2章が全体の7割という構成)、エルザス・ロートリンゲン、もとい、アルザス・ロレーヌ地方のガラス。ということで、ここでガレが登場します。

そのガレの「台付花器(ヤグルマギク)」(50)はランプに使えそうなきれいな紡錘形。そこにヤグルマギクが描かれてます。これは、清楚で一つ欲しいです。

ドーム兄弟の「花器(ブドウとカタツムリ)」(112)。上の広告写真で大きく取り扱われている作品ですが、カタツムリさんが飛び出して器の表面を張ってます。これって、カタツムリを取っ手として持てってことじゃないですよね?(壊れるからやめなさい)

ヴァレリスタルとボルテューのガラス製造連合の手による「蓋付花器」(86)。透明なガラスの上にピンクの花を着色しているものですが、ピンクの発色が私好みで素敵です。

ドーム兄弟の「花器(ラン)」(98)。これは桜色から草色に変わっていくグラデーションが素敵です。



と、気がついてみると、なんか色ガラスの色彩が淡くて良かったものばかり、印象に残ったみたいです。好きなのよね、淡い緑とか淡いピンクとかが。

*1:北澤やポーラ、ヤマザキマザックなどが沢山持っているところでしょうか