月猫ツーリスト

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琳派 京を彩る@京都国立博物館(前編)

京都国立博物館琳派の展覧会が開催されてます。
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今回の琳派展は琳派が始まって400年という節目を記念しての展覧会で、かなり大規模なものになります。
もっとも、琳派が始まって、と言っても近代の絵画団体のように設立総会があるわけではないので始まった時期なんてのも曖昧なものですが(そもそも私淑による断続的な継承が特徴の琳派に、流派としての始まりなんてあるはずもないのですが)、ここでは本阿弥光悦が鷹ヶ峯の地を拝領した1615年を琳派の始まった年として考えているようです。


そして大規模な琳派の展覧会というと東博の大琳派展が思い出されますが、あれってもう7年も前だったんですねぇ。www.tnm.jp

その東博で2008年に開かれた大琳派展では、宗達光琳抱一其一の風神雷神図を同じフロアに展示なんて激しいことをやっていましたが、今回も目玉は風神雷神図で、宗達光琳抱一までを同時に展示するという目玉が設定されてました。
とはいってもそれは前後期のうちの前期の話で、後期は3つの風神雷神図が揃うことは無いのですが。ちなみに私が行ったのは後期に入ってからです。

あともう一つ、今回の展覧会の(個人的な)目玉は(本館が耐震補強中のためいつもは常設展示をやっている)新館で行う展覧会ということで。果たして新装なったばかりの新館でどのような導線を組んでくるのか、どうしてもそういうところに目が行ってしまいます。この辺は展覧会を数多く行くうちに気になるようになった部分です。


ということで、展示は新館3階の、いつもなら陶磁器が展示されているフロアからスタートします。まず初めは本阿弥光悦さん、その人について。
ということで光悦さんの座像が有りましたが、光悦さん、結構丸いです。何となくこの人は山岡宗八「徳川家康」に出てくるときのイメージ腕、鋭利な刃物のような人、どっちかというと織田信長的なイメージを想像していたのでした。

ところで3階のこのフロアからは2階の様子を見ることが出来るのですが、ちょうど風神雷神図屏風が見えています。早くそちらに行きたくなりますが、落ち着いて次の展示を見ていきましょう。


3階の次のフロア、普段は考古が展示されているフロアですが、こちらに入ると、おお、光悦宗達ペアの展示です。

まずは「光悦謡本」(34)。これは表紙の紙がとても綺麗で。銀泥でしょうか、銀色にきらめくもので描かれている鹿や浜松、宇治橋といったものが良いです。

そしてきました「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」(27)。これをちゃんと見るのは2004年に東近美であったRIMPA展以来かもしれませんlunacat.yugiri.org
久しぶりに見る鶴下絵は、飛んでる鶴に風を感じます。それと歌と鶴の絡み合いもよく見ると、鶴が重なって目立つところには和歌も重なっていて、そうでないときは和歌が陸地になって。光悦さんの配置が素晴らしいです。

鶴下絵がくれば当然忘れちゃいけないのが「鹿下絵新古今集和歌巻断簡」(28)。サントリー美術館の所蔵する割合長めのやつが展示されていました。この鹿下絵、元々は鶴下絵と同じく22mの長さのあるものだったのに戦前に分割されて断簡になってしまったのでした。益田め……


ここでフロアは2階に移って、宗達と宗達工房の作品を見ていきます。

俵屋宗達伊勢物語図色紙(芥川)」(39)。大和文華館所蔵の芥川。実は京博にくる前に大和文華館に行っていて、そこでこの絵のクリアファイルを見かけたのですが、欲しいものの今日は展示されて無かったからなぁと買わずに帰ったのでした。全く返す返すも惜しいことを。全く買わずに後悔するより買って後悔しろですが、そのくらい、この夜逃げのシーンは好きですよ。絵を見ているだけで心配そうな女性の思いや、それを優しく気に書ける昔男の気持ちが見えてくる気がします。

俵屋宗達伊勢物語図色紙(渚の院の桜)」(45)。川辺での宴というか花見ですが、なんか風情があります。

俵屋宗達「扇面散屛風」(38)。宗達の取り扱っていた絵の見本帳という感じで、様々な絵を描いた扇が屏風いっぱいに貼ってあります。源氏っぽいのもあり、馬もいたりと幅広さが特徴。
朝顔の雪だるま、若紫のスズメの子を犬君が逃がしつるの場面(左隻の右下)、伊勢物語の東下りで富士を見てるところ、賀茂の競馬などといった題材は、ぱっと見でも判りましたよ。

俵屋宗達「蓮池水禽図」(47)。国宝で、宗達さんの作品としては少数派な水墨です。朝もやの中なのか、ハスが霞んでるのが詩的ですわ。

俵屋宗達「鴛鴦図」(51)。オシドリってことですが、これは可愛い。頭でっかちなのがなんかヒヨコみたいで、なんかその辺りをちょろちょろ歩いてそうですよ。

俵屋宗達「狗子図」(50)。犬が後ろ振り向きで急停車した場面でしょうか?(んなわきゃーない)。宗達さんの作品は動きが見えるような気になるのが、やはりよいですのぉ。

俵屋宗達「蔦の細道図屛風」(63)。左隻と右隻を逆においても成立するリバーシブル屏風。緑、金、蔦の3つのレイヤーが織りなす完璧なデザインです。

俵屋宗達「唐獅子図杉戸絵」(54)。この唐獅子、杉戸をがたがた揺らして動かしそうな。

そしてある意味一番今回で驚いたのが「藤袴図屛風」(62)。藤袴がリズミカルに沢山描かれていて。これを少し整理したら光琳の燕子花図屏風そのものじゃないですか。


というわけでこの先は光琳の世界へと入るわけですが……。長くなってきたので続きはまた次回に。