若冲さんの展覧会は、なんかここ数年は毎年のようにやってる気がしますが、過去の大型の展覧会を並べてみると
- 全ての始まりとなった京博の若冲展は2000年
- プライスコレクション展で若冲作品を大量展示したのが2006-2007年
- 承天閣美術館で動植綵絵と釈迦三尊のそろい踏みをやったのが2007年
- 皇室の名宝展で動植綵絵一挙公開をやったのが2009年
- MIHOの若冲ワンダーランドで象と鯨が初登場したのが2009年
- 静岡県美と千葉市美での若冲アナザーワールドが2010年
- プライスコレクションが東北3都市を巡ったのが2013年
- サントリーでの若冲と蕪村の二人展が2015年
という感じなので、若冲をメインにした大型の展覧会は久しぶり、という感じもあります。
まぁ実際には、それ以外にも様々な展覧会で若冲さんの作品をメインにして展示してましたので、割合と見る機会は有るのですが。
その久しぶりの若冲さんの個展、一番の呼び物は2009年以来となる動植綵絵30幅揃い踏みです。当然ながら混雑必須ですので、混まないうちに行ってしまおうと、開催2日目の23日に行ってきたのでした。
ところで、展覧会の混雑を避けるためには、要するに人がたくさん来るタイミングを避ければ良いわけです。
よく言われるのが、美術番組(日曜美術館、美の巨人たち、ぶらぶら美術・博物館あたり)が取り上げると混雑がひどくなる、というのが有ります。各番組の放送予定を見ると
- 日曜美術館
- 会期前の4月10日に「熱烈!傑作ダンギ 若冲」を放送済み。しかし4/24のNHKスペシャルと4/29のBSプレミアムで特集番組を放送予定
- 美の巨人たち
- 4月30日に「釈迦三尊像・動植綵絵」、5月7日に「百犬図」と、2週連続の放送予定
- ぶらぶら美術・博物館
- 会期末近い5月20日に「ことし一番の話題!「生誕300年記念 若冲展」~宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の傑作「動植綵絵」から幻の大作まで~」をやります。
となってますので、4月29日の大型連休以降は混雑が相当なことになる恐れがあります。
あと、混雑する時間帯ですが、日本美術の場合、一般的には平日の開館直後が一番並びます。で、12時過ぎになると混雑が落ち着いてきて、15時台に再び人が増え、閉館時刻が近付くとかなり空いてくる、という感じになります。なのでお勧めは、12時過ぎを狙うか、または閉館間際の16時過ぎに入館するか、だと思ってます。会場の東京都美術館は17時半まで開館していますので、17時以降はそれなりに空いているのではないでしょうか。
なお、金曜日は20時までやってる夜間開館日ですが、夜間開館はその時間を狙ってくる人が多いのか、それなりに混雑するイメージが有ります。
(実際の混雑はこちらで確認を)
@jakuchu_300さんのツイート
と、ここまで作品に触れずに混雑だけ書いてますが……。そろそろ展示のほうに話を移しましょうか。
展示のほうは、動植綵絵あり、慈照寺の襖絵あり、鳥獣花木図屛風ありと、これぞ若冲という作品が並びます。特に動植綵絵は釈迦三尊像と併せて33幅を1フロア全て使って大胆な展示が目を引きます。
それ以外の作品についても、展示点数が少なめなので空間が広めにとってあって、展示空間には拘ってるなぁと(まぁ、空間を広くとっても、それ以上に観客が詰めかけちゃうんでしょうけど)。
あと、「乗興舟」「菜蟲譜」の日本の巻物が全部広げて展示されていたのも特筆すべきことで。どちらも何度も見てはいますが、全部広げてという機会は余り無かったと思います。
といいつつ展示空間で1ヶ所納得がいかなかったのが「仙人掌群鶏図襖絵」と「象と鯨図屛風」のところで、ちょっとここはスペースが狭すぎて、全体を俯瞰してみるのが出来なかったのが残念だなぁと。「象と鯨図屛風」の前には3mは距離が欲しいところです(をぃ)。
あと作品については、若冲さんの極彩色超絶技巧な作品が多くて、脱力系の絵(ささっと勢いで鶏などを墨1色で描いたような作品など)が少なかった気もします。そういえば、まん丸な鶴さんも、慈照寺の襖絵の中に1羽いただけじゃないかしら?
また展示空間で思い出しましたが、今回の展覧会、作品に解説がほとんど書かれていません(もしかしたら、全く無かったかも)。これは相当珍しいのではないでしょうか。
極彩色超絶技巧な作品が多いことと、作品に解説が無いこと、この2つをつなぎ合わせると、「若冲は見るんじゃない、感じるんだ!!!」と企画した人々が言っているような気がします。
とまぁ、なんか駄目出しばかりしていますが(汗)、今回の若冲展、若冲のカラー作品、大型作品はかなり網羅しています。若冲を余り知らない方、これから若冲を見てみようという方は、是非、上野で若冲を感じてみてください。凄いですから。
で、10年来若冲さんの作品を見ている若冲ファンの皆さんは、若冲さんの生誕300年を祝っての同窓会に呼ばれて行ったくらいの気持ちで、愉しんでみるのが良いんじゃないでしょうか。どんな見方をしても、見ただけで良さが判る、それが若冲さんの魅力ですから。
おまけ:ロビーにはチームラボさんの若冲インスパイア作品も展示されてましたよ。