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月猫ツーリスト

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想@府中市美術館(2016/04/24)

府中市美術館での、江戸絵画の展覧会に行ってきました。
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府中市美術館は毎年この春の季節に江戸絵画の展覧会をやっていますが(何故か一度も感想を駄文に書いてないのが不思議)、今年も開催してます。
今年のテーマは「ファンタスティック」と題して、なんか現実離れしたものを集めたという内容になっています。

正直言って、府中市美術館の春の江戸絵画祭りは、最初の頃のインパクトは凄かったのですが、毎回前半後半で作品の総入れ替えをしているせいか、ここ数年は質より量、と感じてしまう局面もあり……。まぁ、いわゆる「限界効用逓減則」なんでしょうけど……。


今年の展覧会の「ファンタスティック」は、なんとなく幻想的なものを集めたようで、作品の主題も自然現象、山水、天文、面白い動物、妖怪などなど多岐にわたってました。というか、別にファンタスティックでなくて普通の江戸絵画じゃね?と思うのも多くて……。多分、江戸時代には普通でも今の時代には不思議な感じがするものは、ちゃんと現代の視点で見ないと行けないようです……。


と、展覧会のコンセプトについてあーだこーだ言っていても面白い駄文にはなりませんので、気に入った作品について5点ほど書いておきましょうか、

円山応挙「雲峰図」(14)
応挙さん、なんと夏雲の一番上のところを描いてます。それも凄く写実的に。日本絵画では空などの空間部分は描かないことが多いのに、流石応挙さん、写生画の範囲も広いです。
狩野芳崖「鷹雀図」(46)
芳崖さんが、夢で見た情景を描いてくれと言われて描いたものだとか。鷹と雀が群れ飛んでいるとか、夢の世界じゃないとこの構図は思いつかないでしょうね。なんか鷹も雀の影響か、可愛かったです。
曽我蕭白「後醍醐帝笠置潜逃図」(63)
素足の後醍醐帝……。よくそんな場面を思いつくな……。後醍醐帝は写真で見る明治帝に似た良い男に描かれてましたな。
東東洋「富士・足柄山・武蔵野図」(114)
左から、鹿と富士山と山桜の描かれた3幅の掛軸。なんか、足柄山も武蔵野も、どちらも武蔵野的な原野に見えます。今じゃ家が多くなって、そんな面影は全くありませんが。
長沢蘆雪「朧月図」(125)
蘆雪さん、月と雲だけを、月と雲のまわりを淡墨で描く外隈で描かれているのが印象的。また淡墨も青みがかっているのが、いかにも月明かりの感じで良いですなぁ。
葛飾北斎「富士越竜図」(149)
北斎の富士は高さを2倍に強調(って、このまえ「美の巨人たち」で富士山と言えばなFYAMAPシスオペの田代さんが言ってた)っていうのは肉筆画でもなんだなあと。龍の通るところだけ黒いのは雲龍、ってことなんでしょうかね。


と、最初のほうで展覧会全体にぐだぐだ言いましたが、この江戸絵画祭りは量もあるおかげで見たことのない作品を見ることの出来る機会な訳で。今回も初見の作品に良いものがありました。
一番は、やはり応挙の雲、でしょうかね。



おまけ:府中はすっかり新緑の季節でした。
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