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月猫ツーリスト

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

福井へ、岩佐又兵衛と乗りつぶしの旅(2)岩佐又兵衛展@福井県立美術館

(前回の続き)

三国から乗ったえちぜん鉄道田原町で降りて、

福井県立美術館の岩佐又兵衛展にやってきました。

岩佐又兵衛は桃山時代の京都で活躍した画家というイメージが強いですが、大坂夏の陣で豊臣家が滅亡した直後に、福井藩の誘いがあって福井に移住したとされています。その、福井移住から400年目の節目だという理由での展覧会が福井県立美術館で開かれたのです。


展示の最初の山は、旧金谷屏風。もともとは六曲一双の屏風に12枚の絵が並ぶというものですが、本当にこれが岩佐さん一人で描いたの?と思う程にいろいろな絵が並びます。元々はサンプル帳的な位置づけの屏風だったのでは?という説もありますが、それもありえるなぁと思えます。
今回注目したのは、両端にある虎の絵と龍の絵。岩佐さんが生き物を主題に絵を書くのも珍しいし、背景に墨をたっぷり使った絵もそんなにないのではないかと。見どころは龍の絵の墨の濃淡と、虎の顔の可愛さでしょうか。本当にね、トラというよりも狛犬の可愛さよね、これ。

また人物を描いたものでは、「伊勢物語 鳥の子図」が、いかにも岩佐さんの描く人物の顔つきで、岩佐さんだぁと妙に感動します。というか、これ東博蔵なのに見た記憶が無いぞ?
「弄玉仙図」も、墨一色なのに色の変化が見えるような描き方が素晴らしいです。


次のコーナーに移って、こちらは絵巻を展示します。展示しているのは「堀江物語絵巻」「山中常盤物語絵巻」「小栗判官絵巻」「浄瑠璃物語絵巻」の4種類です。

最初の「堀江物語絵巻」。桃山建築と思われる建物の緻密さと豪華さに目を奪われていると、その中を首が飛び交うわけで。や~興奮しますね、首(マテ)。
そしてその次には「山中常盤物語絵巻」。よりによって第4巻。そう、常盤御前の惨殺の場面。この場面の巻だけ借りてくるとは、福井県立美術館もやりますな。直視できない場面を執拗に描くパワーに圧倒されます。


3つ目のコーナーは物語絵。ここは岩佐さんらしい面長な顔を堪能しながら通りすぎて、最後のコーナー風俗画に進みます。
このコーナーはなんといっても「豊国祭礼図屏風」。屏風の全面に人人人人人……。圧倒的な人の多さに圧倒されますなぁ。
ところで、この豊国祭礼図屏風と国宝の洛中洛外図屏風(舟木本)を見てると、岩佐さんは豊臣シンパだったんじゃないかなぁ、などと勝手に思っています。


とまぁ、岩佐さんの作品の代表作をよくこれだけ集めたなぁという展覧会でした。9日からは後期展示で国祭礼図屏風の代わりに洛中洛外図屏風(舟木本)に展示替えになったりしますが、きっと岩佐さんのパワフルさは変わらないと思いますので、後期展示も見てみたいなぁ……(28日までの開催なので、行くのならそれまでよね……)。