月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

1998/05/23 in山形 南東北新幹線一周

何となく,どこかに行きたいという気がする.そういうときは駅に行って適当なフリー切符を買って,目の前にいる列車に乗ってしまうのがよい.行き先なんて,列車の中で考えれば,いくらでも存在するのだ.

今日もそんな気分の日.とりあえず列車の宝庫,東京駅に向かう.とりあえず北の方に行きたいなあと思うので,ウィークエンドフリーきっぷを購入する.この切符は16000円で土日の2日間,東日本のほぼ全ての列車の自由席が追加料金なしで利用できるというものである.北の方に向かうには実に都合の良い切符である.
ホームに上がってみると,ちょうど長野新幹線「あさま」は出発したところである.で,ほかに面白い列車はないかなと思って見回していると,「やまびこ・こまち3号」が30分ほどで発車と表示されている.私はこまちの車両(E3系)に乗ったことがなかったので,まずはこまちに乗ってみることにした.

こまちは,弁当を買おうとしたら発車ベルが鳴って慌てて駆け込み乗車をするというトラブルはあったものの,順調に出発した.

車内では外を見ずに時刻表を見る.何処に行こうか.これに乗って秋田に行っても良いし,大曲で降りて奥羽線を乗りつぶすのも良いな.松島に行くのも良さそうだし.仙山線は何時乗っても良いし,うわぁ(^^;;).結局,とりあえず仙台で降りようと決めたときには,既に白石蔵王をすぎていた.時速275キロを出す列車はさすがに速いようです(爆)


仙台に降りても,松島に行こうか仙山線に行こうか迷ったが,仙石線はSC(鉄道フォーラムの全国オフ)で乗るからな,ということで仙山線に乗ることにする.ホームに降りると,白地に緑の帯を締めた列車が既に止まっていた.とりあえずこれに乗ってみるが,この段階では,山形まで行くか,山寺で降りようか,それとも面白山に行ってみようか,やっぱり迷っていた(^^;;)

前回仙山線に乗ったのは4年ほど前の秋だった.そのときは紅葉がきれいだったのを覚えている.今回は季節も方向も違うので,期待して車窓を見る.期待して車窓を見ると,結構宅地化が進んでいるのが判る.いかにも最近開発して分譲したという感じの,似たような格好をした一戸建ての列が愛子まで続いた.

愛子を出ると線路は「鬱蒼」という感じの緑の中に入る.所々渓谷みたいなのも見えるので,写真に撮ってみる.山の中で水が見える景色というのが,私はどういうわけなのか好きで,よく写真に撮ったりするが,列車の中から写真を撮ると大抵ぶれる.今回もしっかりぶれてしまった.

そのうち県境というか仙台市山形市の境のトンネルを抜け,面白山高原に停車する.ここは仙台から気軽に行けるハイキングコースの入り口としても有名なところらしい.前回通ったときも紅葉が鮮やかだったが,今回も若葉からこぼれる色がきれいである.何とも面白い名前で一度降りてみたいと思っているが,降りると次の列車まで1時間待ちなので先に進むことにする.

面白山高原の次は山寺で,ここは蝉の声が岩にしみいることで有名な立石寺がある.この寺の一番上から眼下を見下ろすと山寺駅の配線がきれいに見えるのだが,てっぺんまで歩く気力が無く,やっぱり列車に乗り続ける.そうこう言っているうちに列車は山形駅に到着した.

今度は山形からどうしようか悩むが,ふと山形新幹線の案内表示を見ると,臨時の新幹線が出ると書いてある.臨時なら空いてるなあと思い,ふらふらと乗ってしまった(爆).これに乗ってしまうと,あとは東京直行なのだが.

山形新幹線の車内は,予想通り空いている.前回この新幹線に乗ったときは3月の末で人の多い季節な上に,接続列車から飛び乗ったのですごく混んでいたのとは対照的だ.乗って車内を見回すと,さっき乗った「こまち」と比べて,座席のテーブルの留め金などにくたびれを感じる.山形新幹線が登場してから何年経つのだろうか?

車内では習性に従って進行方向右側に座ったがこれは失敗で,南陽までは進行方向左側に座るのが正解である.というのも,南陽の手前で列車は山の上の方から一気に坂を駆け下りるのだが,このときに進行方向左側に南陽市の市街が一面に広がるからである.しかしすっかり忘れていた.
そして南陽の辺りで気になるものと言えば,あちらこちらの斜面にあるビニールハウスである.サクランボのビニールハウスであるらしいのだが,よく判らない(^^;;)

米沢をすぎると,山を越える鉄道といった雰囲気になる.カーブを右に左にと揺れながらゆっくりと進んでいく様は,いかにもこの線が在来線であることを示しているようである.等と思っているうちに福島に到着.ここからは先に着いていたやまびこに引っ張られて上野に向かう.南東北までは,行きも速かったが,帰りもあっという間に到着してしまった.