昨日は時間切れで全てを見ることが出来なかった「皇室の名宝」展の第2期,今日も行ってきました.一応昨日時間切れになったことの反省を踏まえ,昨日よりは10分ほど早めに行ったのですが,やはり80分じゃ時間が足りないわねぇ(当たり前).
取りあえず2日かければ一渡り見ることが出来ましたので,見た作品の感想を書いてみます.なお,典籍と刀剣は全然判りませんので,その辺は省略の方向で…….
第1章 古の美
まず最初は古代の美術.天皇陵や陵墓参考地から出てきた考古遺物や法隆寺献納宝物のうち東博に移管されなかったもの,正倉院宝物が対象です.
- 11「木画箱(法隆寺献納宝物)」
- 明治になって法隆寺から皇室に献納された宝物のうち,仏像など仏教関連のものは東京国立博物館に移管されましたが,それ以外のものは皇室に残っていたようで.何でこの木箱も三の丸尚蔵館蔵.折角だからこれも東京国立博物館に移管してほしいです*1.
それはともかく,この木箱,西域の香りのするデザインが斬新で,私も欲しいです.誰か作らないかな……. - 14「聖徳太子像(法隆寺献納宝物)」
- 処天(をぃ).ありがたや,ありがたや.この太子像を見るのは1986年の昭和天皇御即位60周年の展覧会以来でしょうか?
- 18「杜家立成(正倉院宝物)」
- 光明皇后の筆になる作品.正倉院展の時も書きましたが,やっぱり籐三嬢さんの筆は太くて奔放ですわ.ちなみに今回展示はされてませんでしたが,夫君の聖武天皇の筆は非常に細かったのを思い出します.
- 21「螺鈿紫檀阮咸(正倉院宝物)」
- 螺鈿で作った弦楽器.裏には鸚鵡が螺鈿細工で作られてますが,なんかローマのフレスコ画みたい.それにしても貝殻って色んな色があるなぁ.
ところで,この展示物は展示している場所が悪くて,裏側も見えるように部屋の真ん中に置いてあるのはよいのですが,より通路が広いのは表側であって螺鈿細工のある裏側ではない.なので,裏側の螺鈿のところは一寸混雑が激しいです. - 25「銀薫炉(正倉院宝物)」
- 1250年前の銀製品でありながら,黒ずんだりはしていません.正倉院の素晴らしい保存力.
- 33「平螺鈿背円鏡(正倉院宝物)」
- 螺鈿の細工好き〜(^^;;).
- 35「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(正倉院宝物)」
- 1250年前のものなのに七宝で鏡面は銀だと?.その頃から七宝ってあったんだ.
- 38「紺夾纈絁几褥(正倉院宝物)」
- この名前,読めない…….それはともかく,1250年前のテーブルクロス,しかも当時の色が残っているなんて,世界中探ししてもこれくらいではないかと.1250年前ではなく今作ったものであれば,同じようなデザインのものがサマルカンド辺りにありそうな気がしますが…….
第2章 古筆と絵巻の競演
続いて,平安から中世にかけての典籍と絵巻.取りあえず書道は良く判りませんので絵巻を堪能することになります.
第3章 中世から近世の宮廷美
ここは,天皇が自分で書いた筆と,調度品と屏風のコーナー.第1期でも屏風がありましたが,第2期の方は京都御所のしつらえに使ったであろうもの,ということなんでしょうか?.良く判りません.
- 69「花園院宸記」(花園院)
- 天皇さんの絵入りブログ?
- 77「源氏物語図貝桶・合貝」
- 貝合わせの道具,恐ろしく発色がよいです.それにしても何で貝合わせが御物なんだろ?.もしかして清子内親王が使っていたとか?わくわく(妄想入ってます)
- 81「扇面散屏風」(俵屋宗達)
- いや面白い.わざわざ扇子に書いて貼り付けるというセンスの良さ,しかもわざと下の扇が見えないように重ねてみたりと手が込んでいます.桃山時代の本阿弥光悦/俵屋宗達は活躍が400年早すぎますよ.
- 82「源氏物語図屏風」(狩野探幽)
- 全部で53場面,つまり「雲隠」を除く各帖から1場面ずつ描かれているようです.どれがどの場面か,一部判らないところがあったのが一寸悔しい(20年前だったら全部判ったと思うのですが……).
- 83「井手玉川・大井川図屏風」
- 大堰川が紅葉というと,丁度今くらいの季節ですね…….今年の嵐山はどんな感じなんでしょうか?.ちなみに下は,去年の嵐山の紅葉です.
第4章 皇室に伝わる名刀
えっと,刀剣は判らないのでパス(^^;;).
ということで,やっと書けました.やっぱり良い作品が多いです.多いんですから三の丸尚蔵館は展示機会を増やす努力をちゃんとして欲しいなぁ……,ていうのがどうしても最後に残る感想になってしまうのよね…….