今日は五島美術館まで行きまして、源氏物語絵巻と紫式部日記絵巻を見ることにしたのです。まぁ五島美術館はそんなに大きな美術館では無いので30分もあれば見終わるつもりで、見終わったら山種美術館と根津美術館に行こうと考えていたのです。何ですが、五島美術館に着いたら30分後からギャラリートークを講堂でやるとのこと。丁度展示を見終わった頃から始まるならばと、予定を変更して聴いてみようかと思ったわけです。ギャラリートークというのを聞くことはあまりないのですが(ずっと立って聞くのが嫌)、今回は講堂で座って聞けることもあって、参加してみました。
で、今まで余り聞かずに過ごしたことをちょっと反省。いや、こんなに面白いもんだったんですね。なにしろ、まず最初の学芸員さんの発言が、「今の時間でしたら展示室は空いてますので、国宝をゆっくり見たい方は展示室へどうぞ」ってをぃ。
では以下に、ギャラリートークで語られていた内容を、適当に箇条書きで
五島美術館50周年記念について
- 秋は源氏物語絵巻を徳川美術館の所蔵するものも含めて全て展示する。五島美術館で実施するのは10年ぶり。○十周年の年に実施している。徳川美術館でも○十周年の年に実施しているようで、おおむね5年おきに五島、徳川両美術館の源氏物語絵巻を全て1か所で展示していることになる。
- 源氏物語絵巻を全部展示するときは2時間待ちくらいになる。なので今日は空いているほうです。
紫式部日記絵巻について
- 様々な研究から、作成されたのは1200年代前半で一致していますが、奥付が残ってないので正確なところは判りません
- 絵巻には女房批評(和泉式部や清少納言について書いたところ)を除いて全文を書いたと思われる。紫式部日記の分量から考えて、元々は10〜12巻。現存しているのは4巻分。発見されてないところが多いので、家に帰ったら押し入れや蔵の奥の方を探してみてください(をぃをぃ)。
ただし、探して出てきたものに「紫式部日記絵巻」と書いてあったら、それは偽物。昔は「栄花日記絵巻」などとされることが多かった。
- 使用されている紙は、おそらく染められたもの。染料は早めに焼けるので、そう考えられます。
- 顔の書き方は、源氏物語絵巻と比較して、少しだけ表情がある。下書きがされている。一方、建物は一発で書かれている。絵の具がはげたために、下書きを見ることが出来ます。
第1段
- 文章が後ろのほうに行くほど詰まっていく。それでも国宝
- 絵の部分は日記に忠実に書かれている
第3段
- 今上陛下がお生まれになったことをお祝いするお茶会の際に、掛け軸に使うために切り離した(鈍翁よ……)。現在は東博にある
第4段
- 詞書は、他の箇所よりも濃いめに染められた髪が使われている
- 五十日の祝いの宴会の場面。母屋の前のひさしでやっている
- 酔っぱらいが女房にセクハラをする場面が源氏物語一千年紀の記念切手で採用されてしまった。おかげで色々な人から怒られた
第5段
- 酔っぱらいから逃げた紫式部に、歌を詠めと言っている場面が描かれている。
もう少し色々と面白い場面があったはずですが、残念ながら手元のメモにありません。
という感じで、学芸員さんのお話は面白いです。今後も機械があったら聴いてみたいと思います。