2月からこの駄文ブログでも大騒ぎだった長谷川等伯展が、やっと昨日終わりました。結局のところ、東京国立博物館は約29万人、京都国立博物館は約24万人の入場者がいたそうで、合わせて50万人以上が松林図屏風を眺めたことになります。
ま、その中の3人が私だったりしますから、本当に50万人の人が足を運んだ訳ではないですが、国宝を60日以上展示できない制約のために東博も京博も30日程度の会期でこれだけ人を集めてしまうのだから、昨今の展覧会ブームは恐ろしいです。
この50万人が平均して来館するのであれば、例えば東博の場合は開館していた時間が202時間(閉館30分前は入場できないので、これを除く)だったので、1時間当たり1436人。これでも充分すぎるほど多い人数ですが、ちゃんと人が流れてくれれば、なんとかならなくもない人数です。
しかし実際には集中する時間とそうでない時間があるのが困ったもの。京博では180分待ちなんて記録を叩き出していて……、並んでしまった方は本当にお疲れさまでした。
ところで、今までだと混雑するのは土日祝日の午後、というのが相場でした。まぁね、平日はお仕事で、休日は寝坊というのが日本人の基本スペックですから、当然のことであります。ところが今回の展覧会では、一番混んだのは平日の午前。逆に休日午後は待ち時間がないことも。不思議なもんです。
まぁ、私たち、普段から美術館情報にアクセスしている人間はこの傾向を公式HPやtwitterの発言などでキャッチして、この傾向を早々に把握してしまったので、私などは最初から日曜の閉館90分前に照準を合わせて行動しましたが、大変なのは一般の方々……。きっと従来の常識では空いている平日午前にやってきて、混雑に遭遇した人も多いのではないでしょうか?
何でそこまで平日の午前中が混雑したのか。心当たりと言えば、展覧会に来ている方の年齢層が高めだったことでしょうか。定年を迎えた方々が多かったのかもしれません。定年を迎えた方々なら、混雑する休日を避けようとするのは自然な発想ですし。
願わくば、この混雑に懲りて、展覧会を避けるようなことがなければ、とは思います。あと、混雑で松林図屏風がちゃんと見られなかったという方、2008年1月に東博は平常展の国宝室で松林図屏風を飾ったことがありますので、きっとそのうち、空いている平常展で見ることが出来ると思いますので、気を落とさないで下さいね。