どこの美術館でも展示施設を改築するときは展示品を大々的に貸し出して小遣い稼ぎをするのが基本のようです。例えば京都国立博物館は今、平常展の施設を建て替え中ですが、去年くらいから京都国立博物館の収蔵品を東京で見ることが増えたように感じますし、倉敷の大原美術館は分館の改修工事の間に主要作品を大量に栃木に持ち込んで展示していました。そうそう、ルーブル美術館展が毎年あるのは、ルーブルで毎年どこか改築しているからだとか……
そんな中、今年はパリのオルセー美術館が改装工事ということで、オルセー美術館の作品で巡回展と。しかも巡回の規模がそんじょそこらじゃなく、オーストラリアのキャンベラ→東京→サンフランシスコを巡回って。何か凄いです。
それでは、作品の感想を少し書いてみたいと思います。実際に見たときは行って帰って行って帰って行ってと、計5回見たのですが、ここでそれを再現してもしょうがないので章ごとに書いてみます。
1.最後の印象派
手元のメモ帳に最初に書いてある一言が、「持って来すぎだろ!」(笑)。そう書きたくなるほどモネやドガの絵に囲まれて、しかもどの絵もなんとなく見たことがあるような……。壮観です。それにしても、印象派にあわせて明るい感じの展示室内です。
- モネ「日傘の女性」
- 白いドレスを着た女性が草原で日傘をさして立っている。確かカミーユが存命のときに描いたのと、亡くなってから描いたのがあるはずで、これは亡くなってから描いたほう。なんで顔ははっきりしてませんが、この絵の見所は明るい光とか空気感なので顔は関係ないです。テレビなどでは何度も見た絵ですが、本物は一層きれい、というか透明な空気感ですわ。
それにしても、モネの絵に出てくる女性は庶民的な服装をしているよねぇ……
2.スーラと新印象主義
別名、点描の間(嘘です)。といいたくなる程、点描画が大量にあります。まぁスーラとかシニャックといえば点描画ですからねぇ。
ところで本代とは関係ないですが、このコーナーを見ているときに、後ろの方からモナリザと比べてどうのこうのという会話が聞こえてきまして……、モナリザと比較したってしょうがないでしょうに……などと思ったりしたりして。
- スーラ「ポール=アン=ベッサンの外港、満潮」
- 夏の海、という感じですが、点描画は風景画に良く合います
- シニャック「井戸端の女たち」
- 明るい色合いですが、少し象徴主義が入っているような感じに見えまする