月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

ポーラ美術館展@横浜美術館

日曜日の朝、横浜南部にある親元に寄る前に、横浜美術館に寄ってきました。

ここでやっていたのはポーラ美術館のコレクション展。ポーラ美術館は箱根にあるので横浜からはそう遠くないのですが、箱根も仙石原まで行くのは1日仕事になってしまいますので、このように作品が山を下りていただけるのは有り難いことです。


今回の展覧会は、ポーラ美術館のコレクションの中から、印象派とエコール・ド・パリの名品74点が来ているそうで、国立新美術館で開催されているオルセー美術館展と作品の時期は似通っています。といいますか、本当に今年は世界中が談合して東京に印象派絵画を集めてませんか?(そんな事実はありませんから)

展覧会の会場に入ると、沢山の少年少女が熱心に絵を見ていて、夏休みって良いなぁなどと思ったりして。良く良く観察してみるとどの子も熱心にメモを取っていて……更によく見ると、解説文を写しているようで……。さては、どこかの学校で、夏休みの宿題で展覧会の感想を書きましょう、とかやっているようです。ちなみにとある少女の感想は、モネの「さん・ラガール駅の線路」を見ながら「みんなぼやけている」だそうで*1


最初の方は印象派の作品で、モネやピサロルノワールや。そういえば先日のルノワール展にもポーラ美術館は多数の作品を貸し出していましたが、今回の展覧会にはルノワール展に出展したものは登場していません。ルノワールの作品を本当に沢山持っているポーラ美術館です。

ルノワールの作品の中では「水浴の女」という作品が、女性が日本人のように見える感じで、浮世絵の香りがしてきたのが気になりました。

んで、ルノワールの次はゴッホさん。「ウィゲラ運河にかかるグレーズ橋」という作品。ゴッホらしく筆の勢いが良く判る水面や空や草が印象的。ついでに、ここまで濃いめの明るい色を使った作品は余り見かけない、という意味でも凄いです。ゴッホとかシニャックとか見ていると、光を描くということは水面を描くことなのかななどと思ったりします。

なお、印象派のセクションの一番最後はロートレックでしたが、飾ってある位置が悪すぎて、誰も見ていない(笑)。これから行く方は、かわいそうなロートレックを捜してあげてください……。


後半はエコール・ド・パリ。モリディアーニやシャガールレオナール・フジタなどの作品があるコーナーです。印象派のコーナーとは違って、こちらはがらがらです。ですが、空いていても作品のレベルでは前半に負けてはいません。

ローランサンが3枚有りました。いつ見ても素敵だと思いますが、特に「ヴァランティーヌ・テシエの肖像」が良かったです、まっすぐな足が(え?)。
それからシャガール。初めてシャガールがよいと思いました。今、上野の芸大美術館でシャガール展をやっていますが、行って見ようかな、という気になってきました。
キスリング。この方も発色が凄いのと、具象的なものを書いているのに抽象的に見える構図に引き込まれます。


そして、一番最後がレオナール・フジタ。やはりこの人が描く猫は可愛すぎます。


ということで、やっぱりポーラさんは良い作品を沢山お持ちです。



ところで、特別展を出たあとにもお楽しみがあって、ギュスターヴ・モローの「岩の上の女神」が通常展の中に飾られています。ちょっとセザンヌのコーナーの片隅で目立ちませんが、行ったら探してあげましょう。A4の用紙ほどの小振りな作品ですが、絵の細かさと、何か神話を語りたくなる物語のある絵は何度見ても飽きません。というか、本当に何度目だろう?。少なく見積もっても4回は見ているはずですが、今回も飽きずに眺めてしまいました。我ながら、モローがどうしようもなく好きです。

その他、下村観山が描いたラファエロの模写なんてもんもあったりして、常設展も目が離せません。横浜美術館、恐るべしであります。9月4日までなので、もう1回くらい、見に行っても良いかななどと思ったりして……。あ、モローは1月10日までの展示なので、次のドガ展の際に見ればいいのか……。

*1:と言っているのが聞こえてしまったのよ