月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

今日の名古屋・奈良巡検

今日と明日は札幌で谷山浩子さんのコンサートがありまして、それに行くために新千歳空港まで飛行機で……という予定を考えていたはずなんです、2週間前までは。ですが10月のコンサート遠征ラッシュの影響で特に東京以外の地区での美術展消化状況が思わしくない、でも会期末は容赦なくやってくる。結果としてこの週末を2日とも使わないと東海・関西の美術展が消化できないことが判明して……。要するに、浩子さんより正倉院を選んだということで……。ごめんなさい、浩子さん。


ということで、まずは東海道新幹線で名古屋へ。珍しく2人掛けの窓際の席が取れたので富士山が見えます。初冠雪の便りはあったのものの、それからあまり時間が経ってないので北側に少しだけ雪が乗っているのが珍しいです。


名古屋では地下鉄の1日乗車券を買ってまずは名古屋城へ。名古屋の移動は大体地下鉄で用が足りるのと、地下鉄の運賃が高めなこともあって、充分元が取れるのです。

名古屋城では若干色づいた葉っぱもあったりして、そういえばコンサートに追われて紅葉のことはすっかり忘れておりました。それはともかくとして、なぜ堀に鹿がいるのか、しかも京都鴨川の河原のように等間隔に並んでいるのか、謎であります。


いや、名古屋城に来たのは城が目当てではなくて、天守閣で虎の展覧会をやっていたから。入場券売り場では天守閣だけの入場券と、展覧会との共通券も売っているのですが、天守閣だけは500円、展覧会込みだと800円、天守閣だけの人が展覧会場に入りたくなったときは追加料金が500円と、よく判らない価格設定。そもそも展覧会場は天守閣の中なので、展覧会だけ見るということは出来ないのですが……。きっと、天守閣しか見ないのに共通券を買った人、天守閣だけの券で入って、天守閣2階で初めて展覧会に気づいて200円多く払った人が多くいるような気がします。
ついでにいうと、この天守閣は写真を撮ろうとするとエレベーターとか色々と雰囲気を壊すものが多くて、被写体としては好きではありません。


それにしても桃山から江戸にかけての虎の絵、何度見ても猫の絵にしか見えません。手元のメモにも、「ねこ〜」とか、「ニャ〜」とか書いてある箇所が多いです。

そうそう、名古屋城では本丸御殿(春姫御殿)の復元工事が行われていました。毎年、春姫道中の最後に「御殿はどこじゃ」と言い続けて復元が決まったものですが、最近はやりの、完璧に当時の技法での復元をやろうとしているようです。ぜひ、御殿完成の暁には天守閣も再度当時の技法で復元を(無理)。

この案内板、スケジュールのところと平面図のところで建物の向きが違うのが、すごく気になります。


名古屋城からは再び地下鉄で徳川美術館に向かいます。最初は市役所前から大曽根まで地下鉄で移動するつもりが、寝過ごしてナゴヤドーム矢田駅へ。この駅から徳川美術館まで歩く方が、大曽根駅に戻るより、早く着きそうなので、20分ほどかけて徳川美術館まで歩きます。たいした荷物を持っていないとはいえ(PCだってMacBook Airだし)、鞄は名古屋駅でコインロッカーに預けるべきでした。

徳川美術館で開催していたのは、尾張徳川の名品展。この美術館としては順当な展示のはずですが、尾張徳川家で所蔵していたものの手放したり売ったりしたものも借りてきての大規模展となっていました。普段は通常展示室として使っている展示室も特別展の会場にして、といっても通常展示室は展示テーマに特化した作りになっているのでテーマに合わせた展示物が置いてありましたが。
それにしても、徳川美術館については事前にすごいという評判を色々行きいていたせいか、あまりすごいと感じなかったのが本音のところ。周りの評価に惑わされることなく作品を見ていけば良いのですが、そこまで人間が出来ていません。どうしても美術鑑賞は、見たときの照明・体調・気分・期待度といったものに左右されてしまうので、作品の評価を軽々しく駄文に書いていいのか悩むこともありますが、そのあたりも加味して読んでいただければ幸いです。


徳川美術館に続いては、車道駅まで歩いて、そこから地下鉄に乗って名古屋市美術館で「桃山」展。前半は信長・秀吉・家康ゆかりの品々が出ていたりして、先ほどの徳川美術館と少しかぶります。長篠合戦図屏風などは両方の展覧会に出展されていましたし。
で、後半は桃山時代の工芸品が展示されていて、この時代を象徴する南蛮漆器が沢山あって、目が輝きます。以前サントリー美術館京都国立博物館で南蛮漆器の展覧会がありましたが、それ以来久しぶりに沢山集まっている感じです。正直、この展覧会が名古屋の3つの展覧会の中では一番気に入りました。


再び名古屋駅に戻ってきたときには17時少し前となっていましたが、今日はまだだ、まだ終わらんよ。もう1カ所展覧会に寄るべく、新幹線と近鉄特急を乗り継いで奈良に向かいます。
近鉄奈良駅に着いたのは18時30分前。この時間から向かったのは奈良県立美術館。ここでは花鳥画に関する展覧会を行っているのですが、金曜と土曜は21時まで開いているという話を聞いて、やってきたわけです。
それにしても、花鳥画というタイトルなので江戸時代あたりが中心かと思っていたら、古墳の壁画まで登場して盛りだくさんでした。


と、これで全日程終了。名古屋と奈良の4つの美術館を見て回ったわけですが……正直体力が潰えました。もう若くないんだから、無理はしすぎてはいけません、まったく。