月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

絵の中に生きる@根津美術館

昨日に続いて根津美術館の話です。
根津美術館は美術館ですので紅葉を見るために入ったわけではなく美術品を見るために行ったわけですが、土曜にやっていたのは「絵の中に生きる」という展覧会。中世や近世の風俗画を集めたコレクション展です。


一番最初に出てきたのが南北朝時代に描かれた「聖徳太子絵伝」。800年も前のものですが、色はしっかりと残っています。面白いのは、聖徳太子を描いたのものなのに、描かれている人物は南北朝時代の衣装になっていること。貴族の方々は黒の衣冠束帯ですし、蘇我と守屋の戦争で戦っている武士の鎧は四角いです。無理に昔の衣装で書いたりしないところが面白いです。

そのあと、犬追物だとか狩猟の場面を描いた屏風が続きまして、これだけ見ていると日本人は実は狩猟民族なんではないかと思うほど。実際にはどの程度、狩りをしていたんでしょうかねぇ?。

「観雪官女図」という江戸時代の住吉守広の作品。十二単の女性が御簾をあげて外の雪を観ようとする場面。こういう構図を見ると、女性は清少納言だと思って見てしまいます。やはり冬はつとめてで。

江戸時代の洛中洛外図が有りました。金雲の文様が何とも激しいです。
洛中洛外図というと山鉾巡業は外せないようで、この屏風にもちゃんと描かれています。あとすごいのが、右は清水寺から左は嵐山まで描かれていること。嵐山まで描くのってあまりない気がします。

宇治橋図」。これも文様の激しさが印象的ですが、宇治橋を示す記号として水車もちゃんと書かれています。


ということで、見ていて楽しい展覧会でした。こういうものをさらっと所蔵品だけでやれてしまうのだから、全く根津美術館は良いものをお持ちで……。