9月の猫森集会から続いていた谷山浩子さんの秋のコンサートシリーズですが、今日の大阪ザ・フェニックスホールがファイナルとなります。例年ですと江東区文化センターがファイナルになるイメージですが、今年は大阪が最後になっています。大阪のフェニックスホールは大変に素敵なホールなので、ファイナルには高等よりもふさわしいのではないかと勝手に思っております。
とりあえず、まずはセットリストを掲載しておきましょう。
01. 銀河通信
(クリスマスに関係するものが出てくる曲)
02. もみの木
03. 世界一不幸なトナカイ
(神様が出てくる曲)
04. 放課後
05. 神様
(リクエストコーナー)
06. 草の上
07. SHADOWLESS
08. 岸を離れる日
09. デザートムーン
(休息時間はクリスマスメドレーでお楽しみください)
(これより第2部)
10. カントリーガール
(小学4年生の時に作ったクリスマスソング)
11. クリスマスツリー
(クリスマスに挑戦のコーナー)
12. 悪魔の絵本の歌
13. 楽園のリンゴ売り
(王国の男を挟み撃ち)
14. 洗濯かご
15. 王国
16. 仇
(最後の曲はさわやかに)
17. 花時計
(アンコールはビルを見ながら)
EN1.ガラスの巨人
(お礼のお礼の歌)
EN2.のらねこ
今日の選曲は、ある意味全編「クリスマス」縛りになっています。第1部の方はクリスマスのイメージに合いそうな銀河通信に始まって、クリスマスに関係するもの(もみの木、トナカイ、神様)が登場する曲が続きます。これに対して第2部は反クリスマスというか反キリストというか、そんな曲が並びます。第2部前半はストレートにクリスマスのイメージに反するもの(悪魔、誘惑のリンゴ)が出てくる曲、後半は行くところまで行ってしまって救いも何もない閉じた恋愛ソング3曲。良くできた構成です。こんな構成、500曲のレパートリーを持つから出来る技とはいえ、思いつくこと自体がすごいなと。
それから、今日の曲やトークについて少し解説をしておきましょう。
リクエストコーナーの「SHADOWLESS」。これはアイドルマスターのキャラクターアルバムに入っている曲だそうです。松山に続けてのリクエストになったようです。
「カントリーガール」。何時も手紙を渡した人と「ぼく」の関係が議論になる曲で、中には「ぼく」と「きざな若い男」が同一人物という説もあったりしますが、今日のトークで最新の月説が発表されました。それによると、
「ぼく」が書いた手紙を「ぼく」が渡す勇気がないを見て、「若い男」がその手紙を渡してしまう、するとカントリーガールはその手紙は「若い男」が書いたものだと思って付き合い出すが、「若い男」は不味いと思って別の女性とつきあいを始める、その段になって初めて「ぼく」はカントリーガールの前に登場する
という……。「ぼく」がしっかりしていれば……ま、こういう展開も仕方ないですわねぇ。
次に「クリスマスツリー」は、浩子さんが小学4年生の時に作ったクリスマスソング。そんな40年以上前の曲を引っ張り出してくるもの凄いですが、マイナーバラードで「楽しいクリスマスイブ〜」と言われましても……。やはりこの方はすごい人です。
「洗濯かご」「王国」「仇」の3曲は、王国の曲で「君を永遠にぼくは愛し続ける」と言われている「君」の心の中を歌った(ととらえることの出来る) 曲を前後に配置してみたと言うことのようです。何とも終わりのない世界が恐怖です。恋愛とは相思相愛とは限らないという実例のようです。
それからアンコールは、フェニックスホールでの恒例に従って、正面の反響板を上に持ち上げて、ガラス越しにビルと御堂筋を眺めながらの演奏です。なぜか浩子さん、アンコール曲に「ガラスの巨人」「カイの迷宮」「人生は一本の煙草のようなもの」の3曲を持ってきて、さんざん迷った上でお客さんの拍手で選ぶと、そんなことをやりました。「ガラスの巨人」をアンコールでって、以前にもやった気がするのですが……。
最後の曲「のらねこ」は、斉藤由貴ちゃんのニューアルバムに提供した曲だそうです。
ということで、何ともネタの多いコンサート。しかも音響が抜群によいフェニックスホールですから私も大満足。今年のコンサートの中でも2番目に良いのではないかと(流石に1番は猫森集会のAプログラムだ)……。