月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

月例関西巡検(3月の巻)

もうすっかり毎月の伝統行事になっている関西での美術館めぐりに昨日行ってきました。
ちょっと今月は地震の影響もあって、関西に行けるかどうか危ぶまれていたのですが、東京でじっとしていても何も事態は進まないので、ならば出来ることをやろうと旅に出た次第です。


ということで7時台の臨時の新幹線に乗って新大阪駅へ。そこから地下鉄と阪神、六甲ライナーを乗り継いで、まずは神戸ファッション美術館です。

神戸ファッション美術館六甲アイランドは行くのが面倒ですが、およーふくは見ていて飽きないです。今回のテーマは大正から昭和初期のモダンなおよーふく。この頃のおよーふくは、ヨーロッパのものは少しウェストが今よりも下に思えますが、ヨーロッパのもの、アメリカのもの、どれも今着ても違和感がない感じでした。やっぱり好きだわ大正浪漫。


で、神戸ファッション美術館の後には、となりにある神戸ゆかりの美術館にも入ってみます。いや、神戸ファッション美術館のチケットがあると、そのまま入場できるので入っただけでしたが、これが良かった。「煌めく和様の美」というタイトルで日本画を展示していたのですが、いきなり橋本関雪とかあるし。とりあえず三木翠山の「春の庭」という美人画が、淡い感じで素敵でした。この方、松園や清方とも並び称された方だそうで。絵の感じは清方よりも松園の方に近い感じがしました。


六甲アイランドから、次は伊丹へ。同じ兵庫県内の移動なのに、これが面倒。直線で20km程度なのに、どう頑張っても1時間は移動にかかります。結局、六甲ライナーでJR住吉駅まで行き、一駅だけ東海道線を大阪方面に移動し、摂津本山駅から岡本駅の間を歩いて、岡本から塚口まで阪急神戸線に乗ったうえで伊丹まで阪急伊丹線。今回は切符の関係で私鉄に乗るのを優先したら、こんなルートになりました。

伊丹では伊丹市立美術館に併設された柿衞文庫へ。ここでは関西大学所蔵名品展をやっていました。入館料は500円ですが、それでB5版24ページカラーの冊子を渡されてしまいまして……関西大学も太っ腹です。
とりあえず、展示されていた菅楯彦の職業婦人絵巻が面白いですね。電話交換手が袴着用とか、その頃の風俗が見ていて楽しいです(ファッション美術館の後だから、なおさらかも?)。


伊丹から再び阪急で一路京都河原町へ。さすがに阪急京都線の中ではよく寝ています。
河原町から四条大橋を渡って京阪で七条まで移動して京都国立博物館に向かいました。

さて、京都国立博物館では法然展が初日でした。私は仏像は好きですが仏教はあまり理解していないので、音声ガイドを借りることに。声は竹下景子さん。ゆっくりとした語り口に、必要十分な声の通り。NHKのアナウンサー並みの声といって良いでしょう。何故か渡された音声ガイドに入っていたのが後期の解説で面食らいましたが(ちゃんと取り替えてもらいましたよ)。これのお陰で、浄土宗素人の私にも、理解できた気が。

さて、展覧会の方は、知恩院の法然上人絵伝を使って法然の生涯を辿っていく感じ。斬新な趣向で面白いです。それにしても絵伝は色が良く残っていて、大事にされていたのがよく判ります。


最後に訪れたのが、美術館「えき」KYOTOのラファエル前派。先月に引き続き、2回目の観覧です。2回目なので気に入った作品だけピンポイントで見て。そういえばこの展覧会は水彩画が多いです。それにしてもミレイのお嬢ちゃんはなんて可愛い……(以下自粛)


ということで、10時間弱で5つの展覧会と。標準的な展覧会めぐりを久しぶりにして、少し勘を取り戻した気がします。