昨日の駄文で書いたとおり、夜行高速バスなどに乗って眠い思いをしながら日曜日は関西に辿り着いたわけですが、そこまでして関西に行ったのは、高松塚古墳壁画の修理作業室公開、15日の回に当選してしまっていたからだったのです。しかも集合は飛鳥に朝の9時25分。流石に東京発6時の新幹線でも間に合いません。そんなわけで、夜行バスという行程になったわけですね。
ということで、飛鳥駅に9時前に到着して、10分ほど歩いて集合場所の国営飛鳥歴史公園館へ。こんな専用テントが出迎えてくれます。
テントで受付を済ませて暫くすると、小さな講義室に連れて行かれて、ここで10分ほどスライドを見た後、いよいよ修理室に移動です。
修理室に入ると、高松塚古墳から取り出した石室の石が,3列になって並んでいます。残念ながら後ろの2列は石の存在はわかるものの、描かれている壁画は見えません。なので、手前の列にあるものを中心に見ていくことになります。
まず、一番左にあったのが東壁の青龍。龍の胴体が青い帯になって確認できます。劣化のせいか、カビを取るためなのか、セロハンテープが何カ所かにあるのが見ることが出来ました。
そして中央にあるのが玄武。こちらはキトラ古墳の玄武と並べての展示でした。高松塚古墳は石室を解体しましたが、キトラ古墳は漆喰の上だけ剥がして持ってきているので、見るからに薄かったです。で、玄武についてはキトラのほうは形を読み取れるのですが、高松塚古墳のほうは丸い円にしか見えません。やはり劣化は確実に進んでいるような。
最後に一番右にあったのが、西壁の女子群像、いわゆる飛鳥美人。これは流石に識別可能なレベルで見ることが出来ます。着ているおよーふくが鮮やかで素敵です。でも、4人いるはずの飛鳥美人さんも、顔が判るのは2人だけ。後の2人の顔はカビに埋もれてしまっているのが何とも……。
などと見ていると、どこからとも無く、キッチンタイマーのタイマー音が。見学時間の10分が経過した音でした。10分の計測をキッチンタイマーでやっているあたり、文化庁さんの手作り感があふれる見学会でした……。