月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

藤田美術館の春期特別展

この土曜日に、大阪の藤田美術館に行ってきました。
この美術館、コレクションを作った藤田伝三郎さんの邸宅の蔵を用いていて、その関係で夏と冬は展示が出来ないという面白いところです。で、春と秋には収蔵品展を行うのですが、そこは蔵、50点ほど展示すると満杯と言うことで、中々コレクションを見ることが出来ないのが難点となっています。


んで、この春は「季節を愉しむ2 春〜初秋の美術」と題して、そんな季節を連想する作品を展示していました。円山応挙や小振りな屏風など、結構見所が多かったです。
以下に、気に入った作品を幾つか挙げてみます。

円山応挙「中大原女左右菜花棉花図」
タイトルがそのまんまですが、中央が大原女、左にワタ、右がアブラナという3本の掛け軸でした。大原女のリアルな感じは、近代日本画と見間違えるばかりです。流石応挙さんだわ。
玄奘三蔵
全200mとも言われる、玄奘三蔵の絵巻。色の鮮やかさが半端ではありません。7月から奈良国立博物館で、この絵巻を200m全て展示する特別展がありますので、その際にじっくり全体を見たいと思います。
長沢芦洲「藤花狗小禽図」
芦雪の養子さんが描いた、ワンワンと富士とシジュウカラ。子犬が可愛いのは長沢家のお家芸なんでしょうか?この犬も可愛いぞ。
祭礼図屏風
小柄な、50cm程の高さの屏風ですが、凄く細かく描いています。ちょうど洛中洛外図屏風から祇園祭の場面だけ切り取った感じ。見物している武士が何ともえらそうです。
駒井源蒅「朝顔小禽図」
こちらはシジュウカラバトルフィールド。少しは落ち着きなさいよ、君たち……


何か江戸絵画ばかり気に入っていますが、テーマが季節と判りやすいこともあって、余り考えずに愉しむことが出来ました。
展示は12日まで、来週の土日までです。なお、土曜の14時からは学芸員さんの展示解説もやってます。今回たまたま聞くことが出来ましたが、これも結構面白かったですよ。若い学芸員さん、頑張って欲しいです。