月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

科博干支シリーズ・辰年のお正月

国立科学博物館では毎年1月に、その年の干支にちなんで、干支の動物の生態などを紹介する展示をやっています。
今年は辰年、例年と違って想像上の動物がテーマとあっては、生態も何も研究のしようがありません。この点、美術系の博物館であれば想像上の動物であろうと描かれてしまえばこっちのもので展示してしまえますが、自然科学系の博物館では、そんないい加減は通用しません。

ということで、国立科学博物館での辰展、日本館地下の狭い部屋(電車1両の半分くらいの広さ)でしたが、3部構成に分かれていました。

1.龍に九似あり

龍は想像上の生き物ですので、その姿を説明する際に、実在の生き物を引き合いに出すとこになります。で、定説として言い伝えられるようになったのが、「龍に九似あり」。龍の体を部分部分に分けると、9つの動物に似ているというものです。その、9つの動物の剥製を展示して、龍の姿を想像してみましょうというコーナーになっていました。とはいっても、9つの動物、大きさも異なりますので、想像するのも一苦労なんですが。

登場していた動物は……。

  • タカ……「爪は虎」なので、鷹の爪だけ見てください。
  • ハマグリ……「腹は蜃」なんですが、蜃そのものが蜃気楼を発生させる想像上の生き物でして……。ここでは、蜃が似ているとされるハマグリが展示されてます。お腹の鱗が蛤の殻のよう、ということのようです。
  • ウサギ……「眼は鬼」とのことですが、鬼も想像上の動物で……。鬼の目はウサギに似ているという記述があるそうで、眼が赤いことを指しているのではないか?というような解説がありました。とりあえず、ウサギ可愛い、じゃなくて、眼の赤さに注目、ということのようです。
  • コイ……「背中の鱗は鯉」だそうです。
  • ヘビ……「身体は蛇」。これは、龍の胴体が大蛇のようになっているのから、一目瞭然です。
  • ラクダ……「頭は駱駝」だそうで。あの顔が突き出た感じはラクダから来ているのですか。
  • トラ……「掌は虎」ということで、四肢は虎のような感じ、と思えばいいようです。
  • ウシ……「耳は牛」。牛の耳と言っても余り覚えていませんが、顔の面積に対して大きいのが特徴、ということで、龍の耳も大きいのだろうと。
  • シカ……「角は鹿」。なので、龍の角は鹿の角のように枝分かれしているのが正解と思われるが、絵によっては枝分かれがないものもある、それは若い龍だろうか?というような解説がありまして。遊んでますな、解説を書いた方……。

と,改めて書き出してみても、やっぱり龍の姿は想像できません(汗)。

2.龍は実在した?

ここは、龍の骨として献上されたり祀られたりしたものが展示されています。やはり、象の骨が多いようです。
あと、古代人の骨なんかも竜骨になっていたりして、複雑です。

3.タツにちなんだ名前の標本

タツノオトシゴを筆頭に、龍が名前に付く生き物の標本を展示してました。「リュウグウ」が付くものも展示されてましたが、これは一寸反則な気がするのですよ……。


いや、狭い部屋の展示ながら、企画した方々が真面目に莫迦をやっている感じがして、楽しい展示でした。一別しただけだとタツの展示に見えませんけど、じっくりと見ると面白い。そんな展示でした。

とは言っても、やっぱりウサギ可愛い、ラクダ大きい、ってところに視点が行ってしまって、タツの展示だってことを忘れてしまうのが難しいところです。