月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

版画に見る印象派@八王子市夢美術館

日曜日ですが、八王子市夢美術館というところまで行って来ました。
八王子駅から左斜めの方向に放射状に出ている道を10分くらい歩いて甲州街道に出たあたりに、この美術館はあります。このあたりは元々の八王子の中心市街地で、美術館の入っている建物の3件隣は荒井呉服店と、そんな場所です。

そんな八王子市夢美術館で行われていたのは「版画に見る印象派」。なんとも隙間産業的な香りがする展覧会ですが、思っていた以上によかったです。印象派というと緻密な描写よりは原色の色彩分割でふんわりと、という感じがあって輪郭も怪しい感じ。なので線だけで描く版画は合わないと思っていたら、ちゃんと版画で印象派の雰囲気が出ていてびっくりでした。


とりあえず、気に入った作品を幾つか上げておきます。

コロー「トスカーナの思い出」
一番最初にあったん作品。コローらしい森の感じが、版画になっても現れています。
マネ「異国の花」
マネの作品は8点ほどありましたが、そのうち3点は女性を描いたもの。何となく、油彩よりも版画のほうが女性が可愛く見えるのは何故なんでしょう。特にこの絵は、花を持って待つ女性の感じが、何かを想っているようで。物語が生まれそう。
ブラックモン「ヴィラ・フランカのテラス」
渚(?)のバルコニーで二人の女性が、という構図ですが、明暗のコントラストが的確です。版画でもここまで出来るんだぞ、と言ってそうな。
ルノワール「帽子のピン留め」」
ルノです、ルノ。おんにゃの子が二人、アップです。彩色なのもあって、可愛いです。といいますか、一人の女の子がもう一人の女の子の帽子にピン止めを付けているところって、それなんて百合(マテ)
アンリ=エドモン・クロス「シャンゼリゼにて」
リトグラフで、それぞれの色を色彩分割の技法で点描にして置いています。点描は確かに版画に合いますね。
アマン=ジャン「髪」
長い線だけで画面を構成していて、それで一人の女性の顔が画面に浮かんでいます。なんか独特です。でも、すっきりしていて美しい画面です。
アンリ・リヴィエール「時の仙女 No.8 風」
カラーの、なんとなくアニメチックな画面。宮崎駿さんの作品にこんな感じのがなかったかしら?(ありません)。あと、1900年ごろの子供向けの本に、こんな挿絵が多いよね、などと思ったり。
ドニ「母親に花の冠をかぶせる子供」
入り版最後に展示されていたのはドニの作品。昨年、損保ジャパン東郷青児美術館で見た子供たちを描いた作品を思い出しました。もうね、版画とかそんなことは関係なしに、線の柔らかさが素敵です。

いや、八王子は遠かったですけど、苦手な版画と思っていたせいか思った以上に楽しんでしまいました。やはり可愛い女の子は版画になっても可愛いということで(って、どうしてそう纏める???)