東京国立博物館で行われている北京故宮博物院200選展ですが、1月中は清明上河図の行列が強烈で他の作品を見るどころでは有りませんでした。
なんで2月になってから他の作品を見るために再訪したのですが、清明上河図以外の199点も良かったんですわ。
ということで、199点の中から気に入った作品を、展示室ごとに3回に分けて書いてみますわ。まずは今日は、最初の部屋の宋・元時代の書画から。正直言うと、書は苦手、南画も苦手ですので、この部屋は素通りしてもいいくらいなんですけど……。なぜか、気に入った作品が見つかってしまったんですよね……。
- 龍石図巻
- 徽宗帝の宸筆による宸翰(とは言わないけど)。線の細さと勢いに、正倉院展で見た聖武天皇の筆を思い出します。
聖武天皇の筆は光明皇后の太くて男らしいさまと比較して、細くて女性らしく、これは間違いなく光明皇后の尻にしかれていたとわかるものだったのよね。 - 長江万里図巻
- 海でなくて長江ということですが、船が渡っている水面が広くて海にしか見えないのは、私が日本の人だからでしょうか?。その割には、別のところには川の上に細い道があったりして、こちらは人が川に落ちそうな幅。幅の広いも狭いもケタが違うのが中国ですね。
その他にも日本でもみかけるような滝があったりして、楽しそうな道中でした。 - 楓鷹雉鶏図軸
- 鷹に睨まれて逃げ出している雉という構図。ちゃんと雉の足が逃げ足になっているのがgoodです。1200年頃に描かれた、900年も前のものなのに、写実的で動きがあるのが驚きです。日本の鎌倉時代の絵は、コマ撮りという感じのものが多いのを思うと、すごいなと。
- 竹錦鶏図軸
- 鳥の羽が細かいのに、ちょっとクラクラします。いいですね、写実的で。
- 楊竹西小像巻
- 中国のおじさん(顎髭が立派)が一人立っていると、どうしても烏龍茶か何かのコマーシャルかと……(汗)
宋・元の頃という古い時代に写実が確立していたというのが驚きでした。なるほど、これを見せられるのだから室町以降、写実的な水墨画が成立するわけです。そんな繋がりが判って良かったです。
もう、中国美術は良く判らないからと毛嫌いすることは出来ませんなぁ。