10日の日曜ですが、五島美術館で本阿弥光悦の展覧会をやっていたので見てきました。
光悦といえば桃山時代のマルチ芸術家、本業は刀の鑑定士ながら書や漆器や焼物もつくり、俵屋宗達を発掘してしまう人です。といいつつつ、当方、書や焼物、刀には疎いこともあって、もっぱら光悦・宗達ペアの片方としての認識になってしまうわけですが……。
ということで今回の展覧会、やはり書と茶碗が多いです。ま、判らないながらも美しい料紙が好きなのでそれを中心に書を見る感じになります(何故か言い訳から入る)。
とりあえず、毎度の通りの作品感想をば。
- 137「方丈記」
- まず最初の方にあったのは、光悦が出版した書籍です。やはり料紙を見てしまうのですが、雲母で描かれた月とか兎とかが綺麗だわ。
- 66~72「鹿下絵新古今集和歌巻断簡」
- 益田鈍翁が切り刻んだ結果、掛軸に適したサイズの断簡になってしまった鹿下絵です。鶴下絵と比較して考えると、断簡にしたことで切られたのは巻物だけではなくて作品全体の流れのようなものも、という気がします。
といいつつ、山種所蔵の断簡は良い構図の所を貰っているなぁと。 - 78「花卉鳥下絵新古今集和歌巻」
- 今回初公開と言う話の巻物です。毎度おなじみ光悦・宗達ペアで、今回はあちらこちらに竹林が描かれているというもの。福田平八郎を思わせるクローズアップした竹が趣があります。
- 128「蔦蒔絵唐櫃」
- 平家納経を納めている箱です。蔦の葉が大胆に描かれているのがなんか凄いぞと。普段平家納経は意識してみても、箱までは見ることが無いので、良い機会になりました。
- 129「舟橋蒔絵硯箱」
- 光悦の代表作として最初に出てくる舟橋蒔絵硯箱が東博から来てました。東博で見慣れている硯箱ですが、照明が違うので一寸雰囲気が違う。それにしても、中央部の盛り上がりが何時見ても激しくて凄いですわ。
- 102「四季花鳥下絵新古今集和歌短冊帖」
- 山種美術館で何度かお見かけした短冊。これね、銀泥がすっかり黒ずんで、その黒が全体を支配してしまっているのですが、脳内で銀泥フィルタをかけて、これらが本来の銀色だったと思ってみないと行けません。というか、だれかCGで再現を……
- 5「光悦町古図写」
- 最後に、今年になって出来た第2展示室の方へ。こちらでは、光悦さん個人に焦点を当てた展示がされてました。鷹峯にあった光悦村の地図なんかもあって、地図は無条件に見入ってしまいますな。
うーん、こうやって書き出してみても、茶碗がひとつも入ってないとか、文字について何も書いてないとか、やっぱり光悦ではなく宗達ばかりを見てますね、月猫さん……