名古屋にある名都美術館に行ってきました。
この美術館、名古屋駅から地下鉄に乗って終点の藤が丘まで行って、そこからリニアモーターを使った新交通システムに乗って2駅と、どう考えても遠いのですが、そこは上村松園さんのが見られるとなると乗り越えてしまうわけで……。
ということで、上村松園さんの作品を見るために行ってきたわけです。
今回の展示は松伯美術館からたくさん借りての構成で、予想以上に様々なものを見ることが出来ました。
- 「人生の花」は京都市美術館に2幅あるのをよく見ますが、ここ名都美術館も所蔵していて、それが展示されていました。ちょっと輪郭線が太いのが、その後の作品に見られないので面白いなと。
- 「人形使い」。タイトルが人形使いなのに、屏風に描かれているのは観客と覗き込んでいる人だけというのが面白いです。というか、省略で想像力を掻き立てられるのは結構好きです。なお、隣に展示されていた下絵を見ると、人形使いも描かれているのね。
- 「花がたみ」。多分、松園さんの中で2番めに好きな作品です、これ。お着物の柄と、髪の毛の綺麗さに目が行きますけど、話の内容を知った上で見ると、その落差になんとも言えないものを感じます
- 「紅葉可里図」。松園さんによくある江戸美人の図。体の曲線が江戸の艶だなと。
- 「唐美人」。松園さんの描く中国の美人さんは、楚蓮香なんかもそうですが、およーふくの柔らかさもあって可愛いのよね。
- 「楊貴妃」。普通の方は楊貴妃に目が行くのでしょうけど、私は楊貴妃の髪を整える、後ろにいる侍女がなんか可愛いと思うのですよね。
- 「雪月花」の下絵がありまして。まさかここで雪月花を見ることができるとは思ってませんでしたので、非常に驚きましたわ。好きなんですよこれ、多分松園さんの中で一番。展示されていた大下絵では着物の柄くらいしか修正してませんが、きっとこの前に何度も修正をしているんでしょうねぇ。
ということで、松伯美術館が太っ腹なおかげで、今回はかなり楽しむことが出来ました。あと、名古屋から遠いと言っても地下鉄とリニモで30分ですし、駅からは余り離れてないのですから、せめて三重県立美術館と同レベルには引き立てていかないといけないなぁと思う次第。また行きますわ。