先日京都に行った際に、たまたま京都高島屋で「暮らしと美術と高島屋」展をやっているという話を聞いたので、言ってみてきたのでした。
この展覧会、昨年世田谷美術館で見たものの巡回というか里帰り展と言えば良いのでしょうか?。その世田谷美術館で見たときは、消化不良とか好き勝手な感想を書いていたくせに、やはり嫌いじゃないからと再訪するのですから、月猫さんなんて適当なものです(ゑ?)。
そうはいっても餅は餅屋、高島屋のことなら高島屋、きっと世田谷美術館では気づかなかったところを引き出した展示になっているのではないかと期待するわけです。
さて展示の方は、世田谷で見たときとは違って一番最初に高島屋の歴史を振り返るコーナーがあって、ここがかなり楽しかったです。京都高島屋って、増築に次ぐ増築で出来ているのが判ったり、ワコールとの提携の話があったり。
高島屋の歴史は近代日本美術と結びつけて見てしまうので戦前にあったことは割合理解しているのですが、戦後も含めて包括的に理解できたのは良かったです。
その後ろは世田谷のときと同様で、最初に高島屋と縁の深い美術品が並んで、後半にポスターや建築、それと着物デザインなどが並んでました。世田谷と比較すると、前半の方にボリュームがシフトした展示だったように思えます。
前半の近代美術では、まず最初のほうに岡田三郎助の「支那絹の前」。これは何度も見ていますが、何度見ても振り袖の質感に圧倒されます。
それから、絵画作品をビロード友禅にしたものも沢山出典されてて、保津川の様子をビロード友禅にしたものや、幸野楳嶺が原画の紅葉渓図を友禅したもの、世界三景雪月花の下絵など、これらも過去に見ているもですけど、好きですわ。
一点、原画と刺繍を並べて展示しているものがありましたが、刺繍は陰影が異なっていて、少しコントラストが濃くなるように感じました。
世界三景雪月花といえば、都路華香の「岩戸開き図」も出てました。天宇受賣命が踊る場面を描いたものですが、何故かこれを見ながら、天宇受賣命と天照大神の百合本とか無いのかななどと妙なことを考えていたのですが……*1。
あと、3代目飯田新七の卒寿祝い、だったかのために作成された色紙帳が4冊にもなっていて、これがその時代の画家を網羅したような感じで、すごかったです。これはぜひ、印刷して出版して欲しいです
ということで、世田谷の時とは打って変わって、自分のツボに入った大興奮の展覧会でした。なんで同じ展示でここまで印象が変わるかなぁ……
おまけ:京都高島屋のショーウィンドーにいた、ローズちゃん勢揃い之図