江戸東京博物館での特別展「大江戸と洛中」に行ってきました。
この展覧会、3月18日からやっていたのですが、終了が5月11日と、要するに明日。ということで大慌てで見てきたというのが実情です。
いや、別に見なくてもいいとか思っていたわけではないのですが、3月4月はコンサートと桜で大忙しでしたから……。
今回の展覧会、タイトルからは江戸と京都という2つの都市を色々と比較するような内容かと思っていたのですが、実際に見てみるとそんなレベルではなくて、日本を代表する2つの都市をアジアの都市という文脈の中で再定義してみようというものでした。なんという規模の大きな展覧会でしょうか。
会場の最初にあったのは、京都都江戸を繋ぐ東海道五十三次を描いた屏風。目立つのはお城の多さで、江戸から始まって小田原、駿府、掛川、浜松、吉田(豊橋)、岡崎、桑名、亀山、膳所と続きます。白くて大きな城郭がランドマークとして重要視されていたことが判ります。
その先にあったのは、江戸時代の人々がどのように世界を認識していたのかを示す日本地図や世界地図。時代が進むに従って形がちゃんとしてくるのが見て取れます。
古い時代の地図は、全体的に形が歪んでいるのはそれとして、特に半島の形が大きく強調されているのが目につきます。多分ですけど、半島は陸上を行くのも海上を通り過ぎるのも時間がかかるので、その時間間隔が地図に現れているのかなと推測します。
そして、まだ京都や江戸には行きませんよ。今度は東アジアの様々な都市の小地図が出てきます。
東アジアの都市は中国をお手本にして四角い城壁と中央に宮殿というイメージですが、宮殿はともかく都市の形を方形にするのは大変なようで、四角い都市のほうが少ない感じ。確かに四角くしようとすると埋め立てたり切り崩したり、土地を造成しないと適当なサイズにはならないでしょうから、お金がかかりそう。四角く出来たとしても、それを維持するのが大変そうで、そういえば平安京も西半分は(大堰川の低湿地帯だったために)早々に放棄する事になるわけですが。
と、ここまで来てやっと本題の京都と江戸なんですが、京都の方は比較的あっさりで、あれ?という感じなのは流石江戸東京博物館と言いますか。それでも、御所の建物の見取り図とか、京都御苑が整備される前の、代理を取り囲む貴族の屋敷の配置が分かる地図など、見ていて楽しい物も多かったです。
そしてやっと江戸に入ります。江戸は史料の量も多いのでちょっと散漫な感じですが、領域を決める掘り、中央の宮殿となる江戸城、そして南北を固める祖廟(増上寺と寛永寺)というあたりの話が中心だったかなと。
ここでも、江戸城を中心とした江戸の地図や、江戸城天守閣の断面図、江戸城本丸御殿の見取り図、増上寺の秀忠霊廟の配置図と、様々な地図が見ていて楽しいです。
という感じの「大江戸と洛中」、地図好きの方や、都市とは何かについて考えている人には必見の展覧会と思います。11日が最終日なのでお薦めしにくいのが難点といえば難点ですが……。
おまけ:
隣の両国駅では、両国駅開業110年記念で、こんなポスター展示もやってます。
こちらは鉄道史に興味がある方向けですかねぇ。