練馬区立美術館の松林桂月展を見てきました。
この展覧会、私はノーマークだったのですがTLでの評判が良いので見に行ってみたら大変に良かったというものです。
ちなみに松林桂月は明治から戦後にかけての日本画家で文化勲章も受賞した方ということですが、いやー見事に知りませんでしたわ*1。
とりあえず作品を見ていきます。まずは1章、1918年までの若いころの作品です。
- 桃花双鶏
20歳の時に描いた作品です。鶏のリアルさが目を引きます。 - 怒濤健鵰
岩や波の表現は伝統的に見えますし、鷹の形もよくある三角形ですが、鷹の羽のリアルさがいいですね。 - 秋塘真趣
鴨かわええ(それだけ?) - 藤花(松林雪貞)
松林桂月の奥さんも画家でして、その奥さんが描いた藤。淡い感じが透き通ってて、いい感じ。 - 竹林群雀(野口幽谷)
お師匠さんの野口幽谷の作品。雀が多すぎかと。
この時期は技術的にすごいという感じではないですが、見ていて気持ちのよい作品が多いように思えました。
そして2階に上がって第2章。1945年までの作品です。
この時期になると、名を残す方だけあって技巧的な面でも良さを感じます。
- 幽山弧村
水墨で里山を描いた作品。何気ない風景を横への広がりをもって描いているのが珍しく感じられます。 - 秋渓山雉
キジの目が可愛い - 長門峡
ペトラのように両側に垂直に切り立ったがけがあって奥のほうまで見ることができるのですが、奥行き感がいいです。これ、実際に長門峡に行ってみてみたいです。 - 68.春宵花影
同名の作品が沢山あるようです。月明かりに透ける紅葉を描いていますが、もみじの葉は、良いたらし込みだなぁと。
そして最後に3章は終戦後の作品です。
- 夜雨
あー、こういう水墨でのもやの表現って、好きだわ。 - 朝陽桜花
山桜を描くのは日本画の伝統のようなところもありますが、この山桜はきれいです。 - 早春鵯
やっぱり目が可愛い。 - 閑庭
岩の上に猫。ちょっとツリ目できっと寝起き。
この時期は伝統的な日本画の題材に戻りながらも、見せてきますね。
ということで、twitterでの評判を信じて行ったかいがあって、良い作品を見ることが出来ました。
これがあるからtwitterは止められないのよね。
*1:というか、知らないことが多すぎる月猫さんである