月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

超絶技巧明治工芸の粋@三井記念美術館

三井記念美術館で開かれている、明治の工芸に関する展覧会を見てきました。
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この展覧会、開催する話を聞いたのは山下裕二先生が準備中と言っていたのを聞いた時でした。それから2年ですから、展覧会の準備って時間がかかるんだなーというのが正直な感想です。

その展覧会、内容的には清水三年坂美術館のコレクション展になります。ですが明治の工芸って半ば輸出用なので中々体系だったコレクションが無いようで、このテーマになると通常の展覧会でも清水三年坂美術館の所蔵品だらけということもあります。

なんだコレクション展か、という勿れ。今回の展覧会の重要なポイントは、

  • 清水三年坂美術館のコレクションのうち選りすぐりを
  • 明治時代の建物の中で
  • かつ、最新の照明で

見るという点だと思います。

そんなわけで、特に1室目の木目調の部屋で見る超絶技巧は素晴らしかったです。


良かった作品が多かったですが、全部書き出すのも大変なので、5点だけ紹介しますね。

赤塚自得「四季草花蒔絵提箪笥」
蒔絵の箱、というだけなら普通ですけど、その中に描かれた大輪の牡丹は螺鈿細工です。この螺鈿の牡丹がね、光に揺らめくのが綺麗だったわ。
正阿弥勝義「蓮葉に蛙皿」
岡山の英雄(ゑ?)、正阿弥勝義の作品です。カエルが足を延ばして移動中の様子だそうですが、まずそもそも、そんな場面を作品にしようと思わないよねぇ。しかも、その伸びきった足が中々リアルですし。普通の人が作品にしないようなものを作っちゃうのが超絶技巧の方々の凄いところです。
濤川惣助「藤図花瓶」
無線七宝という技法で作られた花瓶。地の色がとても均質なのが一つ目の注目点。そして藤がリアルで、無線七宝なので輪郭がぼやけている感じもリアルさを強めてます。これ欲しいわ(無理)
安藤緑山「竹の子、梅」
1点のみが展示される第2室に展示されていた作品。彫刻に彩色したものですが、これ、包丁で切りたくなりませんか?。ぜひ、台北から来る白菜の横に展示したいです。
濤川惣助「菖蒲図皿」
菖蒲のグラデーションが綺麗で、なんか柔らかさすら感じるんですよ。お皿なのに


この展覧会、展示してあるものが工芸品なので色褪せたりしないので、ほとんど展示替えすることなく7月13日まで開催されてます。たぶん、もう一回見たら気に入った作品が変わりそうな気がするので、もう一度行ってみようかしら。