20日の土曜日ですが、その数日前から旅に出たいといういつもの発作に襲われまして。それこそ21日のコンサートをさぼってでもどこかに行こうと、そんなモードになりまして。
当初は、それこそ北海道から九州まで、どこに行くべきか検討していたのですが、結局は関西に日帰りということに。ま、これで発作は治まったし、21日のコンサートにも行けるしで万事okではあります。
そんな関西で向かった目的地の一つが大和文華館。ここでは28日まで「水にまつわる美術」という展覧会を実施中です。まぁ梅雨ですからねぇ(違)。
まずは、展示室を入った正面にある3つの作品から。
- 56彩漆絵扇面流水文盆
- 文箱なのかと思う大きさの蒔絵の箱ですが、全面に川を渡る船が描かれています。船の中に花があるのが気になるのですが、これって何の場面なんだろ?宇治じゃぁない、よねぇ……
- 03白磁蝦龍博山炉
- 随から唐の時代の白磁の香炉です。卵形というか山っぽい形をしていますが、これは須弥山を表してるのかな?
- 02緑紬博山炉
- これはさらに古い後漢の頃の香炉というか薫炉。やっぱり山っぽいかたちが須弥山っぽいです。その頂上に鳥がいますが、これは鳳凰?
引き続き、いつも通り反時計回りに展示を見ていきます。
- 13雪村「呂洞賓図」
- 龍の上に人が立って、遠くの龍をにらんでるという構図。たぶん何度か見たことのある作品と思いますが、何度見ても、絵に風を感じるのがいいです。あと、龍が結構可愛い。
- 17白地黒花鎗文枕
- 陶器の枕ですが、頭を乗せる部分に描かれている、上から見たナマズが可愛いです。解説を見てナマズとわかりましたが、最初は巨大なオタマジャクシかと……。
- 22赤色硝子双魚文蓮葉形皿
- 乾隆帝の頃の赤いガラス。透明感はあまりないですが、なんか涼しげ。
- 47鄭散「冠岳夕嵐図」
- 幅の広い川(ソウルの漢江だとか)を行く帆掛け船って、なんとも情緒的です。
- 48谷文晃「神奈川風景図」
- 神奈川ということは、対岸は山手よね。こんな、吉田新田も横浜港もなかった頃の横浜を、一度でいいから実際に見てみたいです(無理)。
- 51伊勢物語図屏風
- 伊勢物語の八橋の場面と布引の滝を描いたもの。私、そもそも布引の滝に行ったことがないので、是非この屏風にもある、秋の布引に行ってみたいものです。秋ならば谷山浩子さんが神戸酒心館でライブをやるときにでも……(何の話だ)
- 49源氏物語浮舟帖
- 最後に白描が2つ続きます。まずこの源氏物語のは、二人の男女が肩寄せ合って、川を見ているところ。この後で起きることを、白い画面が暗示しているような。
- 50伊勢物語下絵党字経
- こちらも白描。元々描かれていた伊勢物語は反故にして、裏にうらはびっしり梵字のお経が書いてあります。水鏡をのぞき込む女性の姿の部分は梵字がなくて良く見えるのが偶然なのか必然なのか。
この後もう1ヶ所行こうとしていたので駆け足で展示を見てしまったのですが、ぱっと見でもよいと思える作品が多かったです。もうちょっとじっくり見ると、他にも良さそうなものがあったのでしょうが……。
あと、水にまつわる美術ということで、展示を見ているうちにサントリー美術館での水にまつわる企画展をまた見てみたいなぁと思ったのですが、それはまた別の話、ですね(汗)。