三井記念美術館で浮世絵の展覧会がありましたので、みてきました。
このタイトルを最初に見たときに思ったのは「あー、春信と写楽かぁ……。あたしゃ人物画の浮世絵ってあまり得意じゃないのよね……」でして。
ですがこの展覧会は副題のとおり「フィラデルフィア美術館浮世絵名品展」ですので、実際にはそれ以外の作品もあったのです。なんかタイトルで集客に影響が出てなければと思うのですが、どうなんだろう?
ちなみに展示室の構成は、
- 第4室(手前の広い部屋)……初期の浮世絵、春信
- 第5室(通路上の部屋) ……清長や歌麿
- 第6室(超狭い部屋) ……写楽
- 第7室(奥の広い部屋) ……北斎、広重、上方の浮世絵
でしたので、タイトルに偽りありというか、少なくとも展覧会全体を的確には表現してないような。
そんなわけで私の気に入った作品はどうしたって第7室に集中するわけですが、そんな偏った感想を上げておきます。
- 奥村政信「芝居狂言舞台顔見せ大浮絵」
- 芝居小屋を描いたものですが、遠近感というか奥行き感が極端ですごい。しかも、花道が斜めに走っているので、余計に向きの感覚が狂います。
- 歌川豊春「浮絵深川永代涼之図」
- 川に船を出して納涼なんでしょうか。川の奥行き感が激しくて良いです。
- 葛飾北斎「東海道五十三次 日本橋」
- 北斎も東海道五十三次を描いたとは聴いた記憶がありますが、見た記憶はあまり無かった気が
- 葛飾北斎「雪花月 吉野」
- 雪月花ではなく雪花月。といいつつ、隣にある淀川の月は雪月花なので、単なる刷り間違いかも?吉野らしく、高台を感じる絵。
- 葛飾北斎「諸国滝廻り 下野黒髪山きりふりの滝」
- 霧降滝って行ったことないんですよね。日光駅からバスで10分+徒歩10分ほどらしいので、その気になればすぐに行けそうなんですが。
- 魚屋北渓「諸国名所 武蔵野」
- 武蔵野大平原という趣。巨大な満月の前を雁も連なっているのが良いアクセント。
- 初代歌川広重「東都名所 亀戸天満宮境内雪」
- 雪の亀戸ですが、こんなに雪が積もること自体が、最近はそうそう無い(2〜3年に1度くらい?)ですからねぇ。
- 初代歌川広重「氷上の鴛鴦」
- 中々リアルに鳥を描きますなぁ。
- 初代歌川広重「六十余州名所図会 阿波 鳴門の風情」
- 鳴門の渦潮、というよりもブラックホールを描いたと思うような……。
自分でも判ってますが、風景画に感想が偏りすぎているとは思うんですけどね……。まぁ、展覧会タイトルでは全く触れられてない風景画をたんまり見ることが出来て、個人的には幸せなのですよ。