23日の話ですが、新宿でのコンサートに行く前に、同じく新宿にある東郷青児記念(中略)美術館に寄ったのでした。
現在やっている展覧会はいわゆる印象派の画家の後の時代、要するにキュビスムやフォービスムの時代に、そういう活動には加わらずに描いていた画家を取り上げる、というテーマのようです。私としては、アマン=ジャンやシダネル、エミール・クラウスが登場すると聞いて、それならば見に行こうと思った次第です。
以下いつものように、気に入った作品を順に書いていきます。
- アマン=ジャン「アンティミテ(日常の一場面)」(07)
- 最初の一部屋はアマン=ジャン特集という感じでした。この作品は二人の女性がのんびりとしている様子を描いていますが、その二人の女性は黒い背景に輪郭無しで溶け込む感じに見えます。多分、服などを流レルような線で描いているのでそんな風に見えるのでしょうね。いや、なんとも幸せそうで良いです。
- アンリ・マルタン「収穫」(19)
- 横長ワイド画面で収穫の様子を描きます。点描なのもあって、シスレーにもこんなのがあったなぁなどと思ったり。それにしても、人の多い絵です。
- アンリ・マルタン「野原を行く少女」(16)
- 野原に花を持ってたたずむ一人の女性。ベルギーではないけどベルギー印象派的な明るさです。あと、女性の持っている花飾りが上品で明るくて良いねぇ。
- アンリ・マルタン「ラバスティード=デュ=ヴェール、ミサからの帰り」(21)
- 点描的描かれているのですが、立木が縦の直線なこともあって、平面性も出てきてるように感じます。
- アンリ・ル・シダネル「日曜日」(23)
- シダネル来ました。夕暮れの夕焼けをバックにした沢山の白いドレスの女性。なんか白いドレスの女性が沢山というとギリシャ神話の世界のようで、象徴主義の流れを感じます。
- ルネ=グザヴィエ・プリネ「カブールの浜辺」(54)
- 雨上がりの街角。母の腕を握ってる子供の表情が良くて可愛いわ。
- エミール・クラウス「リス川の夕陽」(63)
- クラウス来た。木立をNDフィルタの代わりにして減光しているはずなのに、この夕日のまぶしさといったら!
- エミール・クラウス「私の庭」(65)
- 描かれているアジサイはどれも色が飽和していて。流石ベルギー印象派です。
- ジャック=エミール・ブランシュ「ふたりの幼子」(69)
- リトグラフですけど、描かれている二人の女性が何とも雰囲気が良いですわ。
- ジョン・シンガー・サージェント「ハロルド・ウィルソン夫人の肖像」(S3)
- 今ひとつ今回の展覧会テーマとは関係ない気もしますが……。塗り方に印象派的なところはありませんが、衣の質感が良いですね。
全般的に自分の好物的な作品が多くて楽しめましたが、やはり大原美術館などで見慣れているアマン=ジャンやシダネル、エミール・クラウスは別格の良さがあるように感じました。いや、良い展覧会でした。
おまけ:久しぶりに美術館から見える下界の写真を。