月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

縄文展@東京国立博物館(後編)

昨日に続いて、東博の縄文展を見ていきます。東博の特別展は展示室が大きく2つに分かれてますからね。今日はその2つ目の展示室を見ていきます。


その後半ですが、まずは縄文時代の国宝を全部まとめて展示してしまうという暴挙が行われています。とはいっても、私が見に行った7月22日時点は茅野市の所蔵する国宝2つは来てませんでしたが。なお、7月31日からはすべての国宝がそろっているはずです。
国宝スキーの方々にはヒャッハーなのかもしれませんが、まぁ、これらの国宝は昨年秋に京博であった国宝展で見てますので、個人的には無茶苦茶ハイテンションになるというわけではないです……。

この中の個人的注目は、山形から来た通称「縄文の女神」(81)。今回360°どこからでも見ることのできるような展示になっていましたが、真横から見ると足はがっしりとしているのに上半身は薄くて、これは何を意味しているんだろうな、などと思うわけです。


国宝の部屋を出ると、今度は祈りの空間、ということで土偶などが大量に登場します。
まず初めにキービジュアルとして、東博の所蔵する亀ヶ岡の遮光器土偶(115)が登場します。
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(東博の収蔵品だと、探せば写真がありますな……)
遮光器土偶って、ビジュアルやインパクトからいえば国宝以上に国宝だと思うのですが、発見が古すぎて一時期個人蔵になったりと来歴が奇麗じゃないのが国宝にするには弱いのでしょうな。

同じく東博所蔵の山梨県で出土した土偶(96)は、作品名称としては「ポーズ土偶」とありますが、個人的には「にゃんこ土偶」と呼びたいもの。ねこーーーー。
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(92)の土偶頭部はいかにも勝坂式土偶の顔をしている、というか見覚えがあるなと思ったら、神奈川県立博物館の収蔵品。なるほど見覚えがあるわけです。

群馬県で出土したハート形土偶(105)。足の模様や見た感じは「縄文の女神」に通じるものがあるように思えます。

東博のみみずく土偶(112)もいました。これ、土偶界の可愛さナンバーパンじゃないでしょうか。
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岩で作られた土偶、もとい、岩偶(131)も来ていました。東北では岩でも遮光式土偶を作っていたのですね。

イノシシの土偶(182)なんてものもあって。ちゃんと立ってます。
これは、のちの埴輪のはしりなのか、それともイノシシは子だくさんなので、そういう祈りのものなのか。

顔が2つある深鉢土器(172)、出ました。これは山梨で出土したものですが、長野の諏訪から神奈川にかけて、この顔の土偶が沢山ありますな。


一番最後には、縄文と現代文化人の関係について。なのでトリを務めるのは土偶と同じポーズをとる川端康成に、縄文の美を書きたてた岡本太郎です。確かに、この二人が今日の縄文土器賛美の発火点ですね。


という縄文展、流石1万年の奥行きはすごくて、ほとんどの作品が土色だというのに全く飽きませんでした。
特に土偶、国宝の土偶は、折を見て発掘現場近くの博物館で、見てみたいですね。

会期が9月2日までなので、もう1度くらい、行ってみようかしら……。
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